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下垂体疾患

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 下垂体前葉疾患は,ホルモンの過剰や欠乏による症状でとらえる.
  2. 下垂体腫瘍は,トルコ鞍近傍の圧迫による症状と,ホルモン過剰あるいは欠乏による症状の組み合わせで現れる.
  3. 臨床症状からどのホルモンの異常なのかを推定し,血液検査と MRI などの画像検査を組み合わせて,診断する.
  4. 下垂体後葉から分泌されるホルモンは ADH(antidiuretic hormone)であり,ADH の作用が不足すれば尿崩症となり,ADH が相対的過剰となれば ADH 不適合分泌症候群(syn-drome of inappropriate secretion of ADH:SIADH)となる.
  5. 尿崩症の診断は,水制限テストとバソプレシンテスト,画像診断などを組み合わせて行う.
  6. 中枢性尿崩症の治療はデスモプレシンの内服や経鼻スプレーである.
  7. SIADH の診断は除外診断である.
  8. SIADH の治療は,原疾患の治療と,水制限である.
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検査・診断

1.下垂体前葉疾患
[検査・診断]
 ホルモン過剰または欠乏症状と局所症状(頭痛,複視や視野狭窄など,表1)をチェックし,以下のように評価を進める.
  1. ①内分泌機能の評価
    まず下垂体前葉ホルモン基礎値の測定,次いでその標的器官のホルモン値の測定を行う.
     ACTHLHFSH,TSH,GH,PRL,コルチゾル,テストステロンエストラジオール,FT4,FT3, IGF-Ⅰ.
  2. ②構造的評価
    造影 MRI.
  3. ③眼科的な視野評価
    ①~③の検査により下垂体疾患が明らかになれば,さらに,①視床下部性かまたは下垂体性かの鑑別や, ②内分泌機能の評価のために各種負荷試験を行うことになる.
  4. ④4者(TRH,LHRH,GHRH,CRH)負荷やインスリン低血糖負荷(GHACTH の分泌刺激)などであるが,内分泌専門医の領域であり成書を参照のこと.
  5. ⑤下垂体後葉についての評価も並行して行う.

3.抗利尿ホルモン分泌異常症(syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone:SIADH)
[検査]
①低ナトリウム血症であるにもかかわらず,尿中 Na排泄は 20 mEq/L 以上.
②尿が最大希釈されずに,尿浸透圧300 mOsm/kg以上.
③血漿バソプレシンが測定感度以上.
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表 1 成人での下垂体前葉ホルモン過剰と欠乏症状
表はPC版サイトをご覧ください
+:分泌刺激,-:分泌抑制
GH:growth hormone, GHRH:GH-releasing hormone, PRL:prolactin, TRH:thyrotropin-releasing hormone, LHRH:luteinizing hormone-releasing hormone, LH:luteinizing hormone, FSH:follicle-stimulating hormone, ACTH:corticotropin, CRH:corticotropin-releasing hor-mone, TSH:thyrotropin.
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