『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- ICAM-1の発現は,炎症性サイトカインや活性酸素などの刺激によって,数時間以内に内皮細胞や線維芽細胞上で著明に増強し,循環血中や組織内の炎症性細胞との接着や活性化に関与する.したがって,自己免疫,感染,腫瘍浸潤,移植拒絶,アレルギー,動脈硬化などを契機にもたらされる炎症性病態の形成に深く関与する.
- 循環血中や組織液中に検出される可溶性ICAM-1は,主にリンパ球や単球を含む白血球や内皮細胞,一部の癌細胞表面に発現したものが遊離したもので,細胞外成分の大部分を有する.したがって,循環血中や組織液中の可溶性ICAM-1を測定することによって,白血球や内皮細胞,癌細胞などのICAM-1を発現する細胞数の増加や,それらの細胞上のICAM-1の発現量の増加を推測でき,経過を追うことによって,炎症性病態の疾患活動性や程度,癌細胞の増殖の強さなどを推察できる.
- なお,可溶性ICAM-1は白血球上のLFA-1と結合してLFA-1/ICAM-1を介する白血球と内皮細胞などとの結合を競合的に阻害することにより,生体自身が本来有する抗炎症性作用として機能するものと考えられている.
- 本検査は,上記のさまざまな炎症性疾患の活動性や一部の癌の発育程度,さらには治療効果を知りたいときに応用できる.
- また,CRP,赤沈,白血球数などの一般的な炎症マーカーや腫瘍マーカーで十分な情報が得られない際に代用できる可能性がある.
基準値・異常値
( 田中良哉 )