『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- minor BCR-ABLキメラmRNAは,ALLで検出される.サザンブロット・ハイブリダイゼーションによる遺伝子再構成の検出は,異常細胞クローンが1~5%以上で可能であるのに対し,PCRは,105個に1個の腫瘍細胞があれば検出できる.このため,ALL細胞に特異的な高感度のマーカーとなり,治療後残存する微小病変(細胞)の追跡に用いられる.
- ALLでは,染色体検査で分裂像が得られない,または判定された正常核型が残存する正常細胞に由来すると考えられる場合などで有用性高い.
- 細胞表面抗原検査でPh陽性ALLの可能性を示唆するB細胞系と骨髄系のmixed lineage leukemiaを示す場合に有用性が高い.
- minor BCR-ABLキメラmRNAが検出されるCMLでは,末梢血幼若顆粒球,単球の著明な増加,好塩基球増加がみられる.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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異常値を呈する場合 |
Philadelphia染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(ALL)、 Ph陽性急性骨髄性白血病(AML)
Philadelphia染色体(Ph)陽性急性リンパ性白血病(ALL),Ph陽性急性骨髄性白血病(AML) |
次に必要な検査 |
形態学的検査,細胞表面抗原検査や染色体検査などを併せて総合的に診断する.経時的にBCR-ABL遺伝子産物(mRNA)をモニタリング検査する.
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変動要因 |
major型BCR-ABLキメラmRNAを測定する.bcr切断点がRT-PCR増幅領域外の場合,検出できないため,BCR再構成の確認はサザンブロット・ハイブリダイゼーションやFISHにて行う.
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( 宮地勇人 )