『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 出血傾向がほとんど存在しない高度のAPTT延長患者に遭遇したときに,本検査を行ってみる.
- APTTの延長は,APTT試薬中の活性化物質の違い,凝固時間測定までの接触時間の影響を受ける.
- 先天性欠乏症は常染色体劣性遺伝形式をとるが,非常にまれな疾患である.ホモ接合体においては,PK活性は1%以下を示す.ヘテロ接合体では50%前後の活性値となる.
- 欠損症と分子異常症の報告がある.ただし日常生活や外科的処置の際も出血症状を呈さない.APTT延長として偶然発見されることがほとんどである.
- 逆に線溶系の働きの低下による血栓症の報告があるが,正常者との有意差は証明されていない.
- 肝実質細胞で合成されているが,ビタミンK依存性蛋白質ではないので,抗ビタミンK製剤の影響は受けない.
- 測定方法としては,APTT延長がPK因子を含む検体の添加により,補正されることを利用している.補正の程度は添加されるPK因子量に比例する.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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低値 |
ショック、 遺伝性血管神経浮腫、 肝硬変、 高分子キニノゲン欠乏症、 消化器癌、 先天性欠乏症、 播種性血管内凝固症候群(DIC)、 慢性腎不全 |
低値 |
先天性欠乏症,肝硬変,播種性血管内凝固症候群(DIC),ショック,遺伝性血管神経浮腫,慢性腎不全,消化器癌,高分子キニノゲン欠乏症など |
次に必要な検査 |
HMW-K,第ⅩⅡ因子は同時に調べておく.PK欠乏を確認する方法として,患者血漿をカオリン,ガラス,セライトなどの異物面と長時間接触させると,APTTが正常化する.
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変動要因 |
( 腰原公人 )