『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- ヘモグロビンの酸素結合はpH,2,3-DPG,温度などの影響で変化する.2,3-DPGは酸素よりヘモグロビンに対する親和性が高く,ヘモグロビンと酸素の結合を調節することで,組織における酸素の放出を調節している.そのため血液中の2,3-DPG濃度とヘマトクリット値またはヘモグロビン濃度から赤血球中あるいはヘモグロビンに対する2,3-DPG濃度を求めることにより末梢組織における低酸素症の有無が明らかになる.
- チアノーゼ性先天性心疾患やうっ血性心不全を伴う心疾患では低酸素の程度や病態の評価の指標として有用とされる.また,肝疾患での低酸素症において,呼吸性アルカローシスはアシドーシスより2,3-DPGの上昇の程度が大きい.
- 赤血球酵素異常や糖尿病ケトアシドーシスおよびその回復期に2,3-DPGは大きく変動する.糖尿病ケトアシドーシス患者では,血液pHの低下によりホスホフルクトキナーゼ活性が阻害されるために2,3-DPGが著減すると考えられている.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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高値 |
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低値 |
ヘキソキナーゼ欠損症、 遺伝性球状赤血球症、 赤血球ホスホフルクトキナーゼ欠損症、 糖尿病ケトアシドーシス
赤血球ホスホフルクトキナーゼ欠損症,ヘキソキナーゼ欠損症,糖尿病ケトアシドーシス,遺伝性球状赤血球症 |
次に必要な検査 |
ヘマトクリット値やヘモグロビン濃度あるいは血中酸素飽和度を測定する.
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( 〆谷直人 )