『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 原因不明の腹痛,嘔吐,便秘あるいは下痢などの消化器症状や,原因不明の多彩な精神・神経症状がある場合には必ず測定する.
- 異常値を示す多くの疾患が知られているが,臨床的意義が高いのは鉛中毒,先天性チロシン血症およびALADが欠損(正常の約3%)している新しい型のポルフィリン症であるALAD欠損性ポルフィリン症(ADP:ALAD deficiency porphyria,常染色体劣性遺伝)であり,いずれも強いヘム合成障害を引き起こし,確定診断に有用である.
- 鉛中毒では鉛イオンがALAD酵素のSH基に結合し拮抗阻害を起こし著明に活性低下(-DTT法)するが,反応液にZn2+やDTT(dithiothreitol)を添加すると活性が回復(+DTT法)する.
- 先天性チロシン血症の患者ではチロシンの代謝異常に基づくスクシニルアセトン(4,6-dioxoheptanoic acid)がALADとALAの結合を阻害するため,強い活性阻害がみられるが,酵素蛋白量は減少していない.
- ADPは酵素蛋白絶対量が減少しているためALAの大量蓄積,排泄を伴い,急性間歇性ポルフィリン症(AIP)と同じく強い精神・神経症状を呈する.
- AIP,ADPおよび鉛中毒には光過敏性の皮膚症状はない.
- その他の異常値を示す疾患においては,ALAD活性値の変動が直接的に病態発症との関連性はほとんどみられなく,ポルフィリン代謝異常の病態生化学的意義についてはあまりわかっていない.
- 異常値発現機序として,ALAD酵素が典型的なSH酵素であり,Zn金属酵素であることから,さまざまな元素(重金属など)やアルコール,難分解化学物質(多ハロゲン芳香族化合物)などの化学物質によって影響を受ける.特に鉛による活性阻害が強い.ポルフィリン症ではALAD遺伝子異常が原因によって活性低下が起こる.