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ソマトスタチン
somatotropin-release inhibiting factor(SRIF)
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 上述のように,ソマトスタチンは生体の各部位で産生され,局所で作用している.そのため希釈を大きく受ける末梢循環血中の濃度測定の臨床的有用性は以下の場合に限定される.ソマトスタチンが持続的に過剰に分泌されるソマトスタチン産生腫瘍の症例では血中レベルが著しく高い.
- 糖尿病・耐糖能異常,胆石症・胆のう腫大,脂肪便・慢性下痢症,胃酸分泌低下などの症候がみられる場合や,胆石症の患者で開腹時に膵腫瘍が認められた場合など,ソマトスタチン産生腫瘍の疑われる症例において血中濃度測定は診断に有益である.
- ソマトスタチン産生腫瘍の症例ではアルギニン点滴静注により過剰分泌反応がみられる.また,血中動態は臨床経過とよく相関して変動するので治療効果の判定にも役立つ.したがって,ソマトスタチンは腫瘍マーカーとして重要な意義をもつ.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。
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1.2~12pg/m l
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高値
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ソマトスタチン産生腫瘍、
褐色細胞腫、
甲状腺髄様癌、 十二指腸・空腸のカルチノイド、
肺癌、 膵内分泌腫瘍
甲状腺髄様癌,膵内分泌腫瘍,十二指腸・空腸のカルチノイド,褐色細胞腫,肺癌(小細胞未分化癌,腺癌)などのソマトスタチン産生腫瘍
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次に必要な検査
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腫瘍の部位診断のためにCT,MRI,血管造影法などの画像検査を要する.また,小さな腫瘍の部位診断には,カテーテル採血による血中濃度の測定が有用である.
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変動要因
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ソマトスタチンは血中の蛋白分解酵素により分解を受けやすい.予想外に低値の場合は検体取り扱い方法についての検討を要する.
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「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.