『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- PTHの測定は,血清カルシウム濃度に異常が存在する場合に,その原因疾患の鑑別のために測定する.したがってPTH値の評価にあたっても,常に血清カルシウム濃度とともに検討する必要がある.
- 高カルシウム・高PTH血症:高カルシウム血症にもかかわらずPTH分泌が抑制されていないことは,副甲状腺でのPTH分泌調節に異常が存在し,高PTH血症が高カルシウム血症の原因であることを示している.該当する疾患は,副甲状腺腺腫,過形成,あるいは癌による原発性副甲状腺機能亢進症,カルシウム感知受容体不活性型変異などによる家族性低カルシウム尿性高カルシウム血症,まれではあるが異所性PTH産生腫瘍である.
- 低カルシウム・高PTH血症:低カルシウム血症により二次的に副甲状腺からのPTH分泌が亢進した状態である.各種の原因による二次性副甲状腺機能亢進症とPTH反応性の低下から低カルシウム血症をきたす偽性副甲状腺機能低下症が該当する.
- 低カルシウム・低PTH血症:低カルシウム血症にもかかわらずPTH分泌が亢進していないことは,PTH分泌障害が存在し,低PTH血症が低カルシウム血症の原因であることを示している.
- 高カルシウム・低PTH血症:高カルシウム血症による二次的なPTH分泌抑制状態を示している.悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症やサルコイドーシス,不動性,活性型ビタミンD3製剤の過剰投与などが相当する.