『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 血管内皮細胞からET-1が産生され,血液中にも分泌されており,動脈硬化を含めた血管障害(血管内皮の異常や機能障害など)で異常値を示すことから,これらの病態のマーカーとしての応用が期待される.
- 高血圧,糖尿病,高脂血症(脂質異常症)などの血管障害や末梢性動脈疾患(Buerger病,閉塞性動脈硬化症など)の重症度のマーカーとしての応用も期待される.本態性高血圧症で高値を示すが,その濃度は平均血圧と相関を示さず,高血圧臓器障害の程度と相関する.慢性腎不全では基準値から高値と幅広い分布を示すが,高血圧を合併すると高値を示す.腎障害の程度とET-1濃度は相関せず,透析前後にも一定の傾向を示さない.また,肺高血圧症と肺組織におけるET-1産生亢進が密接に関連していることが明らかにされており,ヒト肺高血圧症で高値を示す.本態性高血圧症や肺高血圧症以外にも動脈硬化性血管疾患,慢性心不全,血管リモデリングなどの病態にETが関与していることが明らかにされ,ET-1濃度が増加する.
- 一方,ヒト尿中にもET-1が排泄されており,その由来は尿細管とされている.腎障害で糸球体濾過量が低下しているにもかかわらず,その排泄量が減少しないことから,その由来は尿細管からの分泌と考えられている.薬剤による尿細管障害時にβ2-ミクログロビンやN-アセチルグルコサミニダーゼの排泄量の増加と一致してその排泄量は増加する.したがって,その排泄量の変化は尿細管障害の反映と評価されている.
- 微量アルブミン尿などの血管内皮障害マーカー,高感度CRPなど炎症マーカー,頸動脈エコーや血管造影などの形態学的検査および上腕動脈を用いた血流依存性血管拡張などの内皮機能検査などと総合して評価を行う.