アトピー性皮膚炎プロアクティブ療法のすすめ
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症状の程度悪化症状の程度アトピー性皮膚炎の抗炎症を目的とした治療では、従来は目に見える皮疹にステロイドやタクロリムスなどの抗炎症薬の外用を集中的に行い、皮疹がなくなれば保湿剤に切り替え、皮膚症状が再燃した時点で抗炎症外用薬を用いる手法が、一般的に広く行われてきました。これをリアクティブ療法といいますが、この方法では、短期間で再燃を繰り返すことが多く、長期間にわたって症状のない状態を維持することは困難でした。プロアクティブ療法は、まず集中的にステロイドなどの外用治療により皮疹の寛解を導入し、その後は、以前皮疹のあった部位に間欠的に抗炎症薬の外用を行い、その他の日には保湿剤を外用するというプロトコールで行う、アトピー性皮膚炎の再燃を抑制することを目的とした長期維持療法です。プロアクティブ療法は、①目に見えない炎症を抑えられる、②再燃のリスクを低くし、寛解維持の期間を長く延ばすことができる、③再燃時も早めに対処できるので、総合した外用薬の量も少なく済むという利点があります。皮疹が悪化したときに抗炎症外用薬を塗布し、ある程度皮疹が改善したあと保湿によるスキンケアに切り替えます。炎症が再燃したときに抗炎症外用薬を再塗布する従来の療法です。症状が時々出没する軽症例ではこの方法が適していますが、頻回に再燃を繰り返す例では、これでは、コントロール不良となります。重い軽い外用薬使用皮疹が消え、皮膚が一見正常に見えても、皮膚の下では炎症が残っていることもあります。定期的に、間欠的に外用薬を塗ることによって、炎症をコントロールしながら、再燃を防ぎ、長期間にわたって皮疹の無い状態の維持が期待できる療法です。重い軽い外用薬使用症状は無いが炎症が残っている皮膚症状は無いが炎症が残っている皮膚症状は無いが炎症が残っている皮膚正常な皮膚正常な皮膚正常な皮膚症状は無いが炎症が残っている皮膚症状は無いが炎症が残っている皮膚症状は無いが炎症が残っている皮膚正常な皮膚正常な皮膚正常な皮膚悪化悪化悪化悪化リアクティブ療法プロアクティブ療法プロアクティブ療法とリアクティブ療法の比較プロアクティブ療法とは

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