永山腎泌尿器科クリニックは、旭川市の石田病院(現北彩都病院)のサテライトクリニックとして2000年6月に開院されました。
泌尿器科の1日当たりの外来患者数は平均50人。
「思いやりのある最良の医療を提供する」をモットーとし、地域に根ざしたクリニックとして、幅広い年齢層の患者さんが来院しています。
当クリニックでは、来院されたほぼ全員の患者さんに対し尿定性検査とUF-5000による検査を行っております。UF-5000の導入当初は目視法による尿沈渣検査も行っていましたが、目視法と遜色ない検査結果が認められたことから、現在はUF-5000でのみ検査を行っています。
UF-5000の導入前に行っていた目視法による尿沈渣検査では、検査室で患者さんの尿検体を遠心分離し、尿沈渣標本を作製するまでを看護師が行い、その尿沈渣標本を水永先生が診察室で鏡検し、所見を電子カルテに手入力していました。
UF-5000導入後は、尿検体を入れた試験管をラックにセットするだけで自動で尿中有形成分の測定が行われます。導入に伴ってオンライン化も進み、検査結果は診察室のパソコンの電子カルテに自動的に転送されるようになりました。UF-5000の導入によって、私たちが行っていた尿検査に関わる様々な業務は明らかに減りました。
尿沈渣検査に要する時間も、目視法を行っていたころは1検体当り10分以上かかっていましたが、導入後は5分以内と、導入前と比べ顕著に短縮しました。患者さんの待ち時間が減り、外来患者数も増加傾向です。
特に有用性を感じるのは、定量性に優れている点です。
肉眼的血尿の原因は多岐にわたりますが、UF-5000では赤血球数や白血球数が数値で表示されます。その数値や比率から、白血球の割合が高ければ出血性膀胱炎などの炎症による疾患、低ければ悪性腫瘍や内科的腎疾患などを推測することができ、疾患の鑑別に有用な情報が得られます。
また、おむつを使用しているご高齢の患者さんに多いのですが、膀胱炎の症状がなくても膿尿や細菌尿が認められることがあります。UF-5000では、白血球数や細菌数が表示されるため、尿路感染症の診断に役立ちます。円柱成分の情報も、腎臓疾患による血尿か否かのスクリーニングに活用しています。