成山ひだまりクリニックは2017年8月、愛知県海部郡蟹江町に開業されました。この地域としては初めての泌尿器科を中心としたクリニックで、幅広い患者さんの治療が行えるようにと内科、外科、皮膚科も標榜されています。
現在、1日当たりの外来患者数は約60人、泌尿器科の患者さんは全体の3割。患者さんの年齢構成は40~60歳が5割、65歳以上が3割、15歳以下が2割です。
成山院長は、高齢者が多いこの地域において、複数の疾患を併せ持つ高齢の患者さんに対して最初の窓口であるべきだと考えています。
尿沈渣はまず沈渣標本を作る能力に左右されますし、鏡検する人によっても異なります。やはり検体採取から診断までの工程において不安定な要素が大きいと思います。さらに沈渣標本作製にも時間がかかります。遠心を5分で行うとしても1回に10分以上かかるでしょう。UF-5000だと75秒、院内スタッフにストレスがかかりませんし、ヒューマンエラーを防ぐこともできます。
また、この装置は尿中の有形成分を自動で精密に測定するので、赤血球、白血球、上皮細胞、円柱、細菌の測定情報を知ることができます。また、研究用項目でありますが、抗生剤の選択に必要な細胞グラム染色性情報※を知ることができますし、異形細胞※の検出についてもかなり優れていると認識しています。
UF-5000は患者さんにも様々なメリットをもたらします。例えば、UF-5000で異型細胞※の検出が示唆された場合、次のステップとして考えられるのは内視鏡による検査です。症例によっては画像検査を組み入れる必要が出てくるでしょう。この段階までくると悪性腫瘍を疑います。これで悪性腫瘍の存在が確定できれば、大きな基幹病院への紹介ということになります。悪性腫瘍の可能性を見逃さないという点はかなり大きな特徴だと思っています。
※:本項目は研究用項目であり、診断に用いることはできません。
円柱の種類の判別により疾患を見分ける
健康診断で尿潜血が出ると泌尿器科が紹介されますが、血尿は尿路疾患だけでなく糸球体疾患が原因となっていることがあります。このような診断をする場合、やはり円柱の種類の判別が大きく影響するため、適切な判断をする上で重要な情報となります。
細胞グラム染色性情報※の活用
当院では膀胱炎の患者さんの場合は細胞グラム染色性情報を参考にできるので、早めに抗菌剤の種類を分けることができます。こうしたことが患者さんの負担を軽くしていきます。
異型細胞情報※の活用
当クリニックは大学病院ではありませんので、費用のかかる検査を頻繁にやるわけにはいきません。しかし、UF-5000があれば無駄な検査がなくなるのではないでしょうか。例えば、UF-5000で異型細胞の検出が示唆されれば、当クリニックでは悪性腫瘍を疑ってすぐに内視鏡による検査に移ることができます。こうした検査から診断、治療について必要最小限のフローチャートを作ることに貢献すると思います。
※:本項目は研究用項目であり、診断に用いることはできません。