感染症の早期発見と迅速対応を推進するため、関連する診療報酬に対して増額が行われました。新型コロナウイルス感染症（COVID-19）、インフルエンザなどの感染症の診断や治療に関する増額により、治療や検査の適正な実施を支援する形となっています。

また、感染症における医療機関の体制強化も求められており、医療施設や介護施設に対する感染症対策のトレーニングや、院内感染対策の強化を促すための報酬も新しく設けられました。さらに、感染症予防のための設備投資、感染症対策に関する調査・研究活動への支援も強化され、新たな感染症への迅速な対応、医療の質と安全性の向上が期待されています。

ポストコロナにおける感染症対策の推進が、診療報酬改定においてどのように評価されているのか、宮田先生に話をお聞きします。

出典：厚生労働省　令和6年度診療報酬改定の概要【ポストコロナにおける感染症対策】

感染対策向上加算を受けるためには第一種、第二種の協定指定医療機関であることが規定されましたが、この措置の意味するところは何でしょうか。

新型コロナウィルス感染症の初期において、医師や医療スタッフの感染等により、発熱外来の対応に躊躇する医療機関が数多くありました。今後、新興感染症の発生により、再び医療の逼迫を招くリスクがあるので、今回の改定で法的にそういった体制をしっかり位置づけたのでしょう。患者さんが、必ず感染症に対する医療を受けられるようにするという明確な意図があったと思います。