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臨床検査
2024.09.26
慢性炎症と疾患:その病態を浮き彫りにする臨床検査指標の可能性
一般的によく知られている感染症や組織の壊死などに由来しない慢性炎症は関節リウマチですが、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬・クローン病・ 潰瘍性大腸炎・アトピー性皮膚炎・シェーグレン症候群・全身性エリテマ トーデスなどの自己炎症性疾患はまさに慢性炎症性疾患であることは周知と思います。このように自己免疫疾患は、いずれも慢性炎症が少なからず病気の進展に関与しています。最近の研究成果からは、慢性炎症などとはほど遠い疾患と考えられてきました病態、例えば動脈硬化に基づく心筋梗塞や脳血管障害、肥満、アルツハイマー病などの神経変性疾患等、加齢とともに増加する疾患が慢性炎症性疾患であり、さらに炎症は発がんにも関係するとされています[1,2,3,4,5]。{図1}高齢社会となった現代の人々を心底悩ましているこれらの病気を予知・予防し、先制医療を適応するなどすることが高齢者の生活の質(QOL)を担保する鍵になるものと期待され、その診断法の登場が待たれます。
特に動脈硬化などの慢性血管炎症の指標として高感度C-反応性蛋白(hsCRP)が注目を集め、事実、多数の対象患者を用いた臨床研究の多くでは両者の関係が明らかにされています。しかし、慢性炎症では、CRP濃度が極めて低く、その産生を支配するインターロイキン6(IL-6)は様々な要因で変動するので、個人内変動、個人間変動の両者が大きくCRP値に影響します。したがって、一個人の一回のCRP値だけで慢性炎症を判断するのは困難です。
そのような中で、最近になって注目を浴びている検査指標がアルブミン/グロブリン(A/G)比と同様の考え方、病態で減少する指標(アルブミン=A)と増加する指標(グロブリン=G)の比を求めるものです。それによって、逆方向にわずかに変動する指標どうしで増幅して病態を評価できるメリットを求めます。これらの指標は、ごく一般的に測定されている身近な検査指標の組み合わせであって、特殊な検査ではないことから、いつでも応用可能です。{図2}
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