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ナトリウム代謝異常

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

●高ナトリウム血症(hypernatremia)
  1. 血清Na濃度が146 mEq/L以上を高ナトリウム血症と定義.
  2. 高ナトリウム血症は,脳梗塞や意識障害など口渇中枢障害や飲水の制限がある患者に起こる(通常であれば飲水行動にでるため,Na濃度は上昇しない).
  3. 水分摂取障害と水分喪失の原因を探る.
  4. 神経症状が出現している場合は,補正を急ぐ必要がある(急激な補正は禁忌).

●低ナトリウム血症(hyponatremia)
  1. 血清Na濃度が135 mEq/L以下を低ナトリウム血症と定義.
  2. まず,血清浸透圧を評価し,高浸透圧性(高血糖,マンニトール,グリセオールR使用時)または等浸透圧性(血清脂質や血清蛋白の増加時)の場合を除外する.
  3. 低浸透圧性低ナトリウム血症について,身体所見と病歴から細胞外液量を評価する.
  4. それぞれについて尿中Naを評価し,腎外性・腎性のいずれの原因か探る.
  5. 血清浸透圧が低下している状況で,細胞外液量がほぼ正常,尿中Na・浸透圧が上昇,UA低下,ADHが測定できる(測定感度以下ではない)場合,甲状腺機能と副腎機能が正常であればSIADHと診断する.
  6. 補正は病態によって違うため,十分に病態を把握しなければいけない.
  7. CPMを発症させないように,120 mEq/Lを目標に0.5 mEq/L/時で補正を行う.
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症候・チェックリスト

1.高ナトリウム血症
[症候]
②検査所見:volume の評価にはHt,TP,BUN/Cr比,UA が有用.診断には血清浸透圧,尿浸透圧,尿中Na 濃度が必須.その他,血糖,動脈血液ガス,脂質,Ca,Mg,さらにホルモン(ADH,レニン,アルドステロンコルチゾールなど),中心静脈圧測定,胸部写真(心拡大,胸水),超音波(IVC の虚脱度),他の意識障害鑑別のための頭部CT など.当然,病歴や薬剤服用歴(フェニトイン,炭酸リチウム,デメチルクロルテトラサイクリン塩酸塩,炭酸水素ナトリウム,浸透圧利尿薬,低K や高Ca を起こす薬剤)も重要.

2.低ナトリウム血症
[チェックリスト]
②検査所見:volume の評価にはHt,TP,BUN/Cr比,UA が有用.診断には血清浸透圧,尿浸透圧,尿中Na 濃度が必須.その他,血糖,動脈血液ガス,脂質,Ca,Mg,さらにホルモン(ADH,レニン,アルドステロンコルチゾールなど),中心静脈圧測定,胸部写真(心拡大,胸水),超音波(IVC の虚脱度),他の意識障害鑑別のための頭部CT など.当然,病歴や薬剤服用歴(抗精神病薬,抗うつ薬,サイアザイド,シクロホスファミド水和物,ビンクリスチン硫酸塩,浸透圧利尿薬)も重要.
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