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AIDS(HIV感染)

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. HIV とは human immunodeficiency virus(ヒト免疫不全ウイルス),AIDS(エイズ)とは acquired immunodeficiency syndrome(後天性免疫不全症候群)の略で,HIV 感染により免疫機能が低下して日和見感染症を発症した状態を AIDS と呼ぶ.
  2. AIDS で起こる日和見感染症の多くは細胞性免疫の低下によるものであり,その代表的な疾患としてニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)・食道カンジダ症・サイトメガロウイルス感染症・結核などがある.
  3. 世界では,2014 年末に約 3,690 万人の HIV 感染者がおり,2014 年 1 年間に 200 万人が HIV に新たに感染し 120 万人が AIDS で死亡したと推計されている.(国連 AIDS 合同計画:UNAIDS による)
  4. 日本では,2014 年末までに 26,000 人の感染者が報告されており,2008 年以降毎年1,500人前後の新たな感染者が報告されている.感染経路としては男性同性間の性行為が最も多く,異性間性行為がこれに続いている.新たな報告者のうち約 1/3 は AIDS の発症により初めてHIV感染が判明しており,潜在的な感染者は報告者数の数倍にのぼるとの推測もある.
  5. HIV に対する抗ウイルス治療(anti-retroviral therapy:ART)の進歩により,長期にわたって免疫機能の維持が可能になり,いったん低下した免疫機能の回復も十分期待できるようになった.現在の抗ウイルス治療の問題点は,長期内服での副作用・耐性ウイルスの出現・免疫再構築症候群などである.
  6. HIV感染を早期に診断することは,ART によって AIDS発症を避けることができるだけでなく,感染拡大の予防に資するものであり,すべての臨床医が銘記すべき課題である.
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HIV 感染症の診断(図3)

<スクリーニング検査>
①HIV 抗体検査
 長年にわたってHIVのスクリーニング検査として抗体検査が行われてきたが,現在では検体数の少ない保健所・保健センターなどでPA(passive ggultination)法による抗体検査が行われているのみである.感染後平均22日で陽性の反応が得られ,感度・特異度ともに優れているが,感染急性期には陽性反応が得られない場合がある.
②HIV 抗原抗体検査
 抗体とp24抗原を同時に検出するもので,抗体検査よりも1 週間程度早く感染を検知することができる.多くの医療機関や検査会社でCLIA chemiluminescent immunoassay)法による抗原・抗体検査が採用されている.
③イムノクロマト(IC)法による迅速検査
 膜の上に少量の検体(全血・血漿・指尖採血いずれも可能)を滴下し15分後に目視で判定する.抗体検査と抗原抗体検査の両者があるが,いずれも感染初期の感度は劣る.偽陽性が1%程度とされている.

<抗体確認検査(WB法)>
 Western Blot(WB)法がもっともよく用いられており,スクリーニング検査で陽性であればWB で確認してHIV感染症の確定診断とする.特異度は100%(偽陽性はない)と考えられるが,感染早期には「陰性」「判定保留」となって再検査が必要となる.HIV-1とHIV-2それぞれに対応したWB法がある.

<核酸増幅検査>
①RT-PCR によるHIV-RNA定量
 「COBAS TaqMan RT-PCR」がもっともよく使用され,20copies/mL から検出できる.定量検査なので,病状や治療効果の判定にも用いられる.
②NAT(neucleic acid amplification test)核酸増幅検査)
 定性検査で,輸血血液のスクリーニングに用いられ,感度は60~100copies/mL とされているが.これまでにスクリーニングで陰性,NAT でHIV 陽性の血液が27検体見つかっている.

<診断確定の手順>
①スクリーニング検査で陰性の場合
 非感染と診断するが,直近に感染の機会があった場合や感染急性期を疑わせる症状があればRT-PCRによるウイルスの検出を試みる.RT-PCR陽性であればHIV 感染急性期と診断されるが,後日HIV 抗体確認検査の陽性を確認することで確定診断とする.
②スクリーニング検査にて陽性の場合
 抗体確認検査(WB 法)とRT-PCRを同時に提出し,「日本エイズ学会・日本臨床検査医学会:診療におけるHIV-1/2感染症の診断ガイドライン2008」のような手順で診断を行う.

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図3 HIV感染から検査が陽性になるまでの期間
各種検査で陽性になるまでの期間はwindow period と呼ばれる.
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