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二次性貧血

別名 secondary anemia

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 二次性貧血は症候性貧血ともよばれ,造血器そのものには異常がないにもかかわらず,何らかの基礎疾患が原因となり続発性に発症する貧血である.
  2. 貧血をきたす機序は多様であり,ときには複数の機序が複合的に関与し貧血をきたすこともある.
  3. 二次性貧血をきたす基礎疾患として①感染症,②悪性腫瘍,③膠原病,④慢性腎不全,⑤ 肝疾患,⑥内分泌疾患などがあげられる.
  4. 感染症,悪性腫瘍,膠原病などに伴う慢性炎症に起因する貧血,慢性腎不全に伴う貧血が特に重要で頻度も高い.慢性炎症に伴う貧血は,貧血の中では鉄欠乏性貧血に次いで頻度が高い.腎性貧血は診療ガイドラインが策定されている.
  5. 二次性貧血に,鉄・ビタミン B12・葉酸欠乏性貧血が合併することもある.これらの欠乏性貧血は治療可能であるので,見逃してはならない.
  6. 可能な限り基礎疾患の治療が優先されるべきであるが,それぞれの患者の貧血の病態に応じた対処法を選択することが重要である.
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診断上の注意点

①貧血をきたしている基礎疾患が何であるかを正しく把握する.
②基礎疾患の如何にかかわらず,鉄・ビタミンB12・葉酸欠乏が疑われる場合には,これらの血中濃度を測定する.(二次性貧血であっても,これらの欠乏性貧血をしばしば合併する)
③慢性炎症の存在が疑われる場合には,血清鉄,TIBC,フェリチンの測定値に基づき,慢性炎症に伴う貧血であるか否か判断する.慢性炎症に伴う貧血では,血清鉄,TIBC はともに低下し,フェリチンは正常または増加する.
④二次性貧血の中では,慢性炎症に伴う貧血および慢性腎不全に伴う貧血の頻度が高い.これらが否定されたら,各基礎疾患の病態を考慮しつつ貧血をきたした原因を明らかにする.
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