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抗リン脂質抗体症候群

略称 APS
別名 antiphospholipid syndrome

疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。

臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 動静脈血栓症(特に若年者の脳梗塞・心筋梗塞),妊娠合併症をみたときに APS を疑う.
  2. 一般検査では APTT 延長,血小板減少,梅毒血清反応生物学的偽陽性が認められる.
  3. 自己抗体である抗リン脂質抗体(aPL)が存在する.aPL とはループス抗凝固因子,抗カルジオリピン(CL)抗体,抗β2グリコプロテインⅠ体抗などをさす.
  4. SLE 患者の 40%程度は抗リン脂質抗体(aPL)陽性である.
  5. 血栓症予防のためにワーファリンと低用量アスピリンを,流産・胎児死亡の予防には低用量アスピリンとヘパリンを使用する.
  6. 多臓器に血栓が生じる劇症型は予後不良.
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検査所見

①血小板減少
 50,000~100,000/μL 程度までの軽度の減少であることが多い.ITP と同様な免疫性血小板減少である.抗リン脂質抗体が血小板リン脂質に結合するためとされており,抗リン脂質抗体はPA-IgG として測定されうる.
②APTT 延長
 APTT はスクリーニングとして行われるべき検査で,延長している場合,LA の存在の有無の確認に検査を進める.APTT の延長がなければLA 陰性とみなしてよい.
③梅毒血清反応生物学的偽陽性(BFP)
 梅毒血清反応にはカルジオリピン・レシチンを用いる脂質抗原法(serologic test for syphilis:STS)と梅毒トレポネーマ抗原法がある.BFP では前者が陽性で後者が陰性である.BFP を見たときには抗リン脂質抗体のチェックへ検査を進める.
④抗リン脂質抗体aPL
 抗CL 抗体,抗CL・β2GPⅠ複合体抗体,LA が測定可能である.後述の診断基準で取り上げられている抗β2GPⅠ抗体はわが国では測定法が標準化されていないため,抗CL・β2GPⅠ複合体抗体を測定している.
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