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骨折・脱臼

別名 fracture・dislocation

疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。

臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 上肢骨折の応急処置:肩関節周囲から上腕骨近位部までの骨折には三角巾と胸部固定帯による固定を行う.上腕骨骨幹部から手部までの骨折には副子固定(ソフトシーネまたはギプスシーネ,手指の骨折にはアルミシーネ)を行う.
  2. 下肢骨折の応急処置:大腿骨の骨折は入院での安静を要する場合が多い.骨幹部骨折で骨片転位が著しい場合には牽引を行う.脛骨・腓骨・足部の骨折は副子固定(ソフトシーネ・ギプスシーネ)して免荷を指示する.
  3. 関節の脱臼は部位にかかわらず早急に整復する.
  4. 骨片転位の著しい骨折,なかでも神経麻痺や血行障害を伴うものは緊急に整復する.
  5. 開放骨折であれば golden hours(6~8 時間以内)に十分な洗浄と汚染組織のデブリードマンを行い感染予防に努める.
  6. 頸椎の骨折・脱臼は頸椎装具による外固定または直達牽引を行う.
  7. 胸腰椎の圧迫骨折や骨盤骨折は臥床安静を指示する.
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検査

  1. ①単純Xp
     少なくとも正面像と側面像の2 方向は撮影する.ほとんどの例は単純Xp で診断が可能であるが,不全骨折や,骨片転位の軽微な例だと診断が難しい場合もある.部位により様々な撮影法があるので,専門医や放射線技師と相談しながら撮影法を選択するのがよい(表2).
    <読影のポイント>
    1. ① alignment(アライメント:正しい相互位置関係)は乱れていないか.
    2. ② 骨皮質の辺縁を追ってみる.骨皮質の連続性に破綻はないか.
    3. ③ 骨稜の紋様が乱れている部位はないか.
    4. ④ 健側と比較してみる.肢位や撮影条件に違いがあると正確に比較できないので注意.
    5. ⑤ Xp で見逃されやすい骨折や脱臼について把握しておく.介達力により離れた部位の骨折を合併していることもあるので,骨の両端を含め全体の撮影を行うのがよい.例:脛骨遠位の骨折と腓骨近位の骨折など.
    6. ⑥ 骨折と見誤りそうなものを把握しておく.例:小児の骨端核・骨端線,種子骨,血管溝,分裂膝蓋骨,距骨の三角骨,足舟状骨の外脛骨など.
  2. ②単純CT
     四肢関節内の骨折,脊椎骨折,骨盤骨折の診断に有効である.さらに3D-CT が撮影可能であれば転位骨片の立体的位置関係を把握するのに役立つ.
  3. ③単純MRI
     単純Xp 像で骨折の診断がつかないものの臨床的に骨折を疑う場合に適応となる.発症後数時間で骨折部が描出されるため,骨シンチグラムに比較して早期診断に有用であるとされる.
  4. ④RI(骨シンチグラム)
     MRI と同様の適応があり,不顕性骨折の診断に有効である.発症4 日以内だと偽陰性例が多いとされており,発症72 時間以上の間隔をあけて検査を行うことが推奨される.

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表2 外傷評価のためのXp オーダー法
表はPC版サイトをご覧ください
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