女性科領域の急性腹症
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690)
Clinical Chart
●異所性妊娠(子宮外妊娠)
●卵巣腫瘍の茎捻転
●卵巣出血
●妊娠と合併した虫垂炎
- 卵管破裂では,急性腹腔内出血のためショック症状を呈することが多い.
- 排便感,肛門圧迫感は特徴的な症状である.
- 非定型例では,不正性器出血を通常の月経と間違えることがある.
- 本人が妊娠と気づいていないことがあるため必ず妊娠反応を行う.
- エコーにて子宮周囲ないし Douglas 窩にエコーフリースペースを認めたら緊急手術が必要なことが多い.
- 早期であれば腹腔鏡下手術,卵管温存手術も可能なため,妊婦反応陽性,下腹痛のある場合は,なるべく待機せず早いうちに専門医へ連絡する.
●卵巣腫瘍の茎捻転
- 急激な疝痛様下腹部痛と悪心・嘔吐の腹膜刺激症状.
- 微熱,白血球数正常~軽度上昇.
- 内診と超音波断層法にて腫瘍の確認.
- 捻転の程度と時間によっては卵巣の温存が可能の場合もあり,また腹腔鏡での診断治療が可能なこともあるため,4~5 cm 以上の腫瘤があると思われる場合は早期に専門医へ連絡する.
●卵巣出血
- 排卵期ないし黄体期に多い腹腔内出血で,子宮外妊娠の破裂と症状が似ている.エコーにて子宮周囲ないし Douglas 窩にエコーフリースペースを認める.
- 子宮外妊娠との鑑別には妊娠反応をみる.
- 腹膜刺激症状があるが虫垂炎の穿孔などと比べると腹部はやわらかい.
●妊娠と合併した虫垂炎
- 必ずしも定型的な虫垂炎の経過・症状ではない.
- 妊娠中は通常でも白血球増加があり,診断の指標となりにくい.ただし白血球 15,000/μL 以上は疑うこと.
- 妊娠初期は嘔気・嘔吐,微熱などを伴いやすく妊娠悪阻との鑑別が難しい.
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チェックリスト
①無月経:最終月経の確認をする.何カ月かにわたり月経を聞いておけば参考になる.
②下腹部痛(急激に起こる.排便時など腹圧上昇時が典型的).
③妊娠反応陽性.
④血算にて貧血の有無.
②下腹部痛(急激に起こる.排便時など腹圧上昇時が典型的).
③妊娠反応陽性.
④血算にて貧血の有無.
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