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めまい

別名 vertigo

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. めまいの急性期は対症療法に終始することなく,中枢性めまい(特に脳血管障害)を見落とさないこと.
  2. 急性難聴を伴うめまいは,難聴に対して早期の治療開始が必要である.軽度の蝸牛症状(耳鳴,難聴,耳閉感など)でも見落とさないこと,また聴力検査は必須である.
  3. めまいの症状の特徴と随伴症状からかなりの部分は診断が可能である.
  4. 眼振は,頭位,頭位変換眼振まで必ずみて記録することである.翌日には眼振が消失してしまうことも多い.
  5. 診断名をつけることより,病態の理解および障害部位の診断にまず努めること.また代表的な疾患の診断基準を理解することも診断への近道である.
  6. めまいの急性期の患者は,パニック状態であることが多い.治療にあたっては,患者および家族の不安感を取り除き,落ち着かせることが必要である.
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検査

①平衡機能検査
 日本平衡神経学会のめまい・平衡機能検査の進め方と第一次平衡機能検査を示した(日本平衡神経学会編:平衡機能検査の実際. p.54, 南山堂, 1992 参照).第一次検査はFrenzel 眼鏡があれば一般外来でも検査可能な平衡機能検査である.ENG(electronystagmograph)を含め第二次検査は神経耳科へ依頼する.このうち特に末梢性・中枢性の鑑別上,また病巣診断上からも眼振検査が重要である.初診時の眼振所見は必ずカルテに記載しておくことである.翌日には眼振が消失していることも多い.特に頭位眼振,頭位変換眼振検査は異常発現率が高く,ぜひ検査すべきである.
  1. ①注視時の眼振検査
     指標を注視させたときにみられる眼振.側方注視は30度で行う.
  2. ②非注視時の眼振検査
     検査は,非注視,Frenzel 眼鏡下で行う.頭位眼振と頭位変換眼振の2通りの検査を行う.
    • a:頭位眼振:頭位の変化によって誘発される眼振で,主として内耳(特に耳石)系の刺激によって誘発させる眼振である.通常坐位と臥位にて検査を行う.
    • b:頭位変換眼振:頭位を急激に変化させることによって,耳石器のみならず,半規管系を刺激し,その前庭刺激によって誘発される眼振を検査するもの.
       「記載法」を示した(日本平衡神経学会編:平衡機能検査の実際. p.54, 南山堂, 1992 参照).
    • c:温度眼振検査(カロリックテスト):温度眼振検査は左右前庭系(外側半規管)を別々に刺激できるので,左右どちらの前庭がどの程度障害されているかの診断に有用である.われわれはスクリーニングとして,左右別々に冷水(20℃)を10秒間で20mL 外耳道に注入し,Frenzel 眼鏡下に眼振,眼振持続時間を観察している.温度刺激に
      よって一側にほとんど眼振を認めない場合,その側の半規管麻痺(CP)と診断する.実際の施行にあたっては耳鏡検査を行ったうえで施行する必要があり,耳鼻科医に依頼することが多い.
  • ②耳鏡検査,聴覚の検査
     精密検査として,補充現象の検査,自記オージオメトリー,語音聴力検査などがある.聴性脳幹反応(auditory brainstem response:ABR)は聴神経腫瘍の診断に有効である.
  • ③画像診断
    1. ①単純Xp:耳(シューラー,ステンバース),頸椎
    2. ②高分解能CT(中耳,内耳)
    3. ③脳,後頭蓋CT:救急時の脳出血の診断に有用.
    4. ④MRI・MRA:脳梗塞 脳腫瘍(聴神経腫瘍など)奇形,椎骨脳底動脈領域の診断などに有用.

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