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緩和ケア

別名 palliative care

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 緩和ケアとは,がんや後天性免疫不全症候群(AIDS)などの生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者と家族が抱える様々な問題を早期に同定し対応することを通して,苦痛を予防し緩和する取り組みである.
  2. 診断(告知)の際から,早期に緩和ケアが介入することにより,Quality of Life の向上のみならず,予後も改善することが報告されている.
  3. 緩和ケアにおいて,患者と家族が抱える多面的な苦痛を全人的に捉える必要があり,身体的苦痛,精神的苦痛,社会的苦痛,スピリチュアルな苦痛を併せた全人的苦痛への対処が必要となる.
  4. 全人的苦痛に対応するためには,医師,看護師,薬剤師,理学療法士,管理栄養士,MSWなど多職種によるチーム医療が必須である.
  5. 患者と家族が表出する苦痛は「氷山の一角」であり,見えている部分はごく一部でしかなく,その奥に秘められた「苦痛」と「苦悩」を推し量る努力が重要である.
  6. 「苦痛」と「苦悩」を推し量り,対処するためには,癌腫(疾患)ごとの特性や,種々の症状を引き起こす病態への深い理解に加えて,精神腫瘍学的アプローチなど極めて広範な知識を要するため,必要に応じて専門医に適切なコンサルテーションを行うことが肝要である.
  7. がん診療においては evidence based medicine(EBM)が重要とされるのに対して,緩和ケアでは個々の患者に応じた個別のきめ細やかな対応も重要であるとされる(narrative based medicine:NBM).NBM を実践するには,まず緩和ケアの基礎を十分に理解した上で,それを個別性へと応用することが重要であり,一定の能力を身に付けないで NBM のみで対応すると evidence practice gap(EPG)が生まれる.
  8. 緩和ケアで求められるコミュニケーション能力,技能,態度は,患者と家族に対する関心と深い理解を基盤としており,「相手を思いやる心」が根幹をなしている.これは一般臨床においても重要で普遍的な内容であり,医師を含めたすべての医療者が身に付ける内容である.
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定義

 緩和ケアとは,生命を脅かす病気に関連する問題に直面している患者と家族の痛み,その他の身体的,心理社会的,スピリチュアルな問題を早期に同定し,適切な評価と対応を通して,苦痛を予防し緩和することにより,患者と家族のquality of life(QOL)を改善する取り組みである.
 早期の緩和ケア介入により,QOL の向上のみならず,予後も改善することが報告されているが,緩和ケアが終末期のみを対象としたものであるという誤った認識が患者だけでなく医療従事者の間でも依然として残っている.
 すべてのがん治療医が緩和ケアの基礎と理念を身につけ,診断(告知)の際から適切な緩和ケアを診療の一環として提供することが極めて重要である.
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