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大腸憩室疾患

別名 diverticulosis of colon

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 食事の欧米化とともに大腸憩室症は増加傾向にある.
  2. 大腸憩室症の約70%は無性状であるが,15~25%は憩室炎を起こし,5~15%は憩室出血をきたすとされている(図1).
  3. 日本では,遠位側(右側結腸)の大腸憩室炎が多かったが(約75%),食事の欧米化とともに近位側(左側結腸)の大腸憩室炎が増加傾向にある.
  4. 大腸憩室炎は通常は絶食・点滴,抗菌薬治療にて速やかに改善を得られるが,左側結腸の憩室炎では膿瘍,穿孔,瘻孔などの合併もみられることがある.
  5. 大腸憩室出血は,自然に止血することが多いが(約75%),再出血もあり,また内視鏡的止血に難渋することがある疾患である(図1).
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図1 大腸憩室疾患での経過の割合

診断

1.大腸憩室炎
  1. ④診断
    1. ① 採血:白血球上昇がみられるが,半分近くは正常である.
    2. ② 腹部エコー:憩室は大腸から球形に突出する低エコー域として認められる.その内部に,ガスを示唆する高エコー域があり,周囲の脂肪組織のエコー輝度が上昇している.憩室に連続する大腸壁は全周性かつ限局性に肥厚している.
    3. ③ 腹部Xp:非特異的であり診断に役には立たない.穿孔や腸閉塞の除外には有用.
    4. ④ 腹部CT:CT の感度は94%,特異度は99%とされる.造影CT を行うことで他の疾患の除外もできる.憩室の存在とその周囲脂肪組織の濃度上昇,壁の4 mm 以上の肥厚がみられる.バリウム起因性憩室炎ではバリウムの貯留が認められる.
    5. ⑤ 大腸内視鏡検査:大腸内視鏡検査は穿孔のリスクがあるので急性期に行わないほうがよい.しかし大腸癌の除外で6 週間以降に行うことは重要である.

2.大腸憩室出血
  1. ③診断
     上部消化管出血を除外することが重要であるが,明らかに鮮血~赤黒便でそれほどバイタルサインが崩れていなければ,下部消化管出血を疑う.
     中でも腹痛がない下血ではまず疑うべき疾患である.
    1. ① 採血:Hb やHct はすぐには変化が出にくいので注意を要する.MCV が低値であれば慢性の経過である.BUN/Cre 比が30 以上はむしろ上部消化管出血を疑わせる(上部消化管出血の陽性尤度比5).
    2. ② 大腸内視鏡検査:第一選択になる.造影CT よりは侵襲性が高いが,出血点がわかればそのまま止血を行えるというメリットがある.
       ただ,大量出血時の大腸内視鏡検査での出血源の同定率は多量の凝血塊,残便が邪魔となり約13%ときわめて低く難渋することもしばしばある.前処置を行うことで,とくに出血を助長することなく,出血点の発見率が上昇する報告があり,全身状態の許す限り前処置は行うべきである.
    3. ③ 造影CT:侵襲性が低いため大腸内視鏡検査と並んで第一選択になる.ダイナミックCT のほうが感度が上がる.CT で憩室が見当たらなければ憩室出血の可能性が低くなるので,そういう意味でも重要な検査である.
    4. ④ 消化管出血シンチ:出血している際には感度,特異度とも高い検査であるが,憩室出血の性質上,自然に止血している際には,検査陰性となることもあるので注意が必要である.
    5. ⑤ 血管造影:血管造影は100%の特異度をもつが,感度は初回出血例で47%,再出血例で30%とされる

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