サイトカイン(G-CSF)の使用法
疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。
「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690)
Clinical Chart
発熱性好中球減少の高リスク患者では化学療法後 24~72 時間で顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte colony-stimulating factor:G-CSF)投与を開始する一次予防が重要である.
詳細を見る
解説
G-CSF の使用法は,わが国では好中球が減少してから,無熱でも投与開始することが多いが,この投与法はevidence based ではない.日本癌治療学会の作成した「G-CSF 適正使用ガイドライン2013 年版」も,前出のASCO のガイドラインとほぼ同様の内容になっており,またわが国の保険適用に関しても言及している.
適切な対象においては一次予防により発熱性好中球減少のリスクが減少することは明確なevidence がある.一方,G-CSF の使用により死亡リスクが減少することを示した論文は少なく,死亡率に有意差がなかったとする論文が多い.以上よりG-CSFは主としてquality of life を改善する薬剤と認識されている.
頻回の採血および注射のためG-CSF 投与を外来で施行するのはやや困難であるが,わが国でも血中半減期を長期化したpolyethylene glycol(PEG)G-CSFが承認された.一次予防はPEG-G-CSFでも有用性が示されている.
G-CSFとG-CSFバイオシミラーの短期的安全性と有効性は同等とされているが,今後長期に渡る安全性の確認が望まれる.
エリスロポエチン(EPO)のわが国の保険適用は腎性貧血や手術患者の自己血貯留などであり,癌や成人血液疾患は認められていない.欧米において低リスク群MDS 患者(RARS を除く),とくに血中EPO 濃度低値例においてEPO 投与の輸血回数減少効果が示されており,わが国でも承認された.また癌化学療法中の貧血にも投与されうるが,EPO 投与により死亡率を高めるとの報告もあるため,わが国での施行は慎重を要する.
適切な対象においては一次予防により発熱性好中球減少のリスクが減少することは明確なevidence がある.一方,G-CSF の使用により死亡リスクが減少することを示した論文は少なく,死亡率に有意差がなかったとする論文が多い.以上よりG-CSFは主としてquality of life を改善する薬剤と認識されている.
頻回の採血および注射のためG-CSF 投与を外来で施行するのはやや困難であるが,わが国でも血中半減期を長期化したpolyethylene glycol(PEG)G-CSFが承認された.一次予防はPEG-G-CSFでも有用性が示されている.
G-CSFとG-CSFバイオシミラーの短期的安全性と有効性は同等とされているが,今後長期に渡る安全性の確認が望まれる.
エリスロポエチン(EPO)のわが国の保険適用は腎性貧血や手術患者の自己血貯留などであり,癌や成人血液疾患は認められていない.欧米において低リスク群MDS 患者(RARS を除く),とくに血中EPO 濃度低値例においてEPO 投与の輸血回数減少効果が示されており,わが国でも承認された.また癌化学療法中の貧血にも投与されうるが,EPO 投与により死亡率を高めるとの報告もあるため,わが国での施行は慎重を要する.
詳細を見る