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肩関節疾患

別名 diseases of the shoulder joint

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. まずは外傷性の疾患を鑑別する.外傷機転のない肩関節痛は,炎症性疾患を考える.
  2. 肩関節周囲の骨折として,上腕骨近位部骨折,肩甲骨骨折(体部,関節窩,肩峰,烏口突起),鎖骨遠位端骨折などを鑑別する.
  3. 肩関節周囲の外傷性脱臼として,肩関節脱臼,肩鎖関節脱臼を鑑別する.
  4. 中年期以降に外傷歴なく急に生じた肩関節痛は「五十肩」と総称される.五十肩にはさまざまな疾患が含まれることに注意する.
  5. 肩運動時の軋轢音,挙上困難があれば肩腱板断裂を疑う.外傷性の断裂,外傷歴のない変性断裂がある.
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診断

[五十肩]
④診断
 臨床症状により診断する.画像所見で五十肩に特異的な所見はなく,除外による診断をせざるを得ない.腱板断裂,石灰沈着性腱板炎,上腕二頭筋長頭腱炎などを鑑別する.
  1. ①単純Xp:肩峰や上腕骨大結節に骨棘や骨硬化など加齢に伴う変性変化がみられることはあるが,五十肩に特異的な所見はない.
  2. ②MRI:肩峰下滑液包や棘上筋腱部に輝度変化がみられる.腱板に変性断裂がみられることもある.
  3. ③関節造影:関節内への造影剤注入量減少がみられる.

[石灰沈着性腱板炎]
③診断
 肩関節単純Xp で腱板部に石灰の沈着がみられるのが特徴である.

[腱板断裂]
③診断
 上記の所見に加え,画像検査で診断する.広範囲の腱板断裂で,長期間経過したものだと,単純Xp で肩峰骨頭間距離が減少する.肩関節造影検査では腱板断裂部や,肩峰下滑液包内への造影剤流入がみられる.単純MRI および超音波検査により腱板の断裂部が描出される.

[外傷性肩関節脱臼]

[反復性肩関節脱臼]
③診断
 Anterior apprehension test,すなわち肩関節を外転・外旋すると脱臼しそうな不安定感を訴える.単純Xp や単純CT にて,上腕骨頭後外側の陥没骨折像(Hill-Sachs 損傷)や,肩甲骨関節窩前下縁の骨欠損像(骨性Bankart 損傷)がみられる.MRI にて肩関節下方の関節唇が関節窩下縁から剥離している所見(Bankart 損傷)がみられる.
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