ウイルスによる皮膚疾患
別名 | viral skin diseases |
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690)
Clinical Chart
- ウイルスによる皮膚疾患は,全身性に感染し,ウイルス疹を呈する疾患,皮膚を感染の場とする疾患,皮膚に繰り返し病変を形成する疾患に分類できる.
- 全身性に感染し,ウイルス疹を呈する疾患には,皮疹の性状が診断の補助になる場合がある.
- 皮膚を感染の場とする疾患はウイルス性疣贅が代表的.鶏眼と誤診することが多いので注意.
- 皮膚に繰り返し病変を形成する疾患は単純疱疹,帯状疱疹といったヘルペス性疾患が代表的.目に病変が及ぶ場合は眼科を受診させる.
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診断
[ウイルス性疣贅]
①診断
ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染によって起こる.HPV には150 種以上の型の存在が知られているが,感染する部位と臨床像は型ごとでおおよそ決まっている.臨床的には①尋常性疣贅,②青年性扁平疣贅,③尖圭コンジローマ,④Bowen 様丘疹症,⑤疣贅状表皮発育異常症などに分類される.④,⑤は癌化することがあるが診察する機会は極めて少ない.また,③は性行為感染症のひとつでもある
[伝染性軟属腫]
①診断
天然痘と同じPox ウイルス科のウイルスである伝染性軟属腫ウイルスによって起こる.天然痘が撲滅された後に患者数が増加している.中央に臍窩を有する丘疹で摘むと乳白色の粥状物質が圧出されるのが特徴である.多発することが多く,俗に「みずいぼ」と呼ばれる.
[単純ヘルペス]
①診断
口唇部および外陰部が好発部位である.口唇部のものは俗に「熱の華」とよばれる.初発時は症状が重症化することが多く,成人の場合入院を要することもあるが,ヘルペス性疾患の特徴である「再発」を繰り返すごとに症状は軽快していく.再発頻度は年5 回までなら正常範囲内と考えてよい.
[帯状疱疹]
①診断
水痘罹患後に脊髄後根知覚神経節や頭蓋内神経節に潜伏感染していた水痘ウイルスが再活性化することによって生じる.再活性化の原因としては老化,疲労,免疫能の低下などがあげられている.通常片側性に皮膚神経節に沿って,紅暈を伴う小水疱が集簇して現れる.典型的な皮疹の分布を呈する場合,診断は難しくはない.
帯状疱疹患者は通常,最初から疼痛を訴えることが多いが,なかには痒みを訴える患者,あるいは痛くないという患者もいる.そういった場合は「湿疹」と誤診する場合があるので注意.
①診断
ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染によって起こる.HPV には150 種以上の型の存在が知られているが,感染する部位と臨床像は型ごとでおおよそ決まっている.臨床的には①尋常性疣贅,②青年性扁平疣贅,③尖圭コンジローマ,④Bowen 様丘疹症,⑤疣贅状表皮発育異常症などに分類される.④,⑤は癌化することがあるが診察する機会は極めて少ない.また,③は性行為感染症のひとつでもある
[伝染性軟属腫]
①診断
天然痘と同じPox ウイルス科のウイルスである伝染性軟属腫ウイルスによって起こる.天然痘が撲滅された後に患者数が増加している.中央に臍窩を有する丘疹で摘むと乳白色の粥状物質が圧出されるのが特徴である.多発することが多く,俗に「みずいぼ」と呼ばれる.
[単純ヘルペス]
①診断
口唇部および外陰部が好発部位である.口唇部のものは俗に「熱の華」とよばれる.初発時は症状が重症化することが多く,成人の場合入院を要することもあるが,ヘルペス性疾患の特徴である「再発」を繰り返すごとに症状は軽快していく.再発頻度は年5 回までなら正常範囲内と考えてよい.
[帯状疱疹]
①診断
水痘罹患後に脊髄後根知覚神経節や頭蓋内神経節に潜伏感染していた水痘ウイルスが再活性化することによって生じる.再活性化の原因としては老化,疲労,免疫能の低下などがあげられている.通常片側性に皮膚神経節に沿って,紅暈を伴う小水疱が集簇して現れる.典型的な皮疹の分布を呈する場合,診断は難しくはない.
帯状疱疹患者は通常,最初から疼痛を訴えることが多いが,なかには痒みを訴える患者,あるいは痛くないという患者もいる.そういった場合は「湿疹」と誤診する場合があるので注意.
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