眼科救急
| 別名 | ocular emergency |
|---|
疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。
「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部（各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」）を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は，他に出典の明示があるものを除き，医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 （リンク先：http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690）
Clinical Chart
- 眼科救急疾患のうち，失明につながるような緊急疾患はまれである．しかし，初期治療を誤ることにより早期に失明にまで至る疾患も存在するので，その鑑別が必要となる．
- 眼化学熱傷と網膜中心動脈閉塞症は専門医への移送前の初期治療が重要である．化学熱傷ではすぐに洗眼を，網膜中心動脈閉塞症では眼球マッサージを行う．
- 急性緑内障発作と急性ぶどう膜炎発作では，視力低下，眼痛，充血などの症状は類似しているが，前者は縮瞳薬，後者は散瞳薬と治療は正反対になるので注意が必要．瞳孔の大きさ（前者は散瞳，後者は縮瞳）で鑑別する．
- 感染症が疑われる場合は抗菌薬投与前に菌培養を行っておく．
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鑑別診断
＜緊急度からみた眼科救急疾患のポイント＞
①数分以内に処置が必要な疾患
①眼化学熱傷
②網膜中心動脈閉塞症
②できるだけ早く（数時間以内）専門医での処置が必要な疾患
①外傷性
a：穿孔性眼外傷・眼内異物
b：眼球打撲（前房出血，外傷性ぶどう膜炎）
c：眼瞼裂傷
d：角膜異物（深層）
②非外傷性
a：急性緑内障発作
b：急性ぶどう膜炎発作
c：角膜潰瘍
d：眼窩蜂巣炎
e：網膜剥離
f：円錐角膜のDescemet 膜破裂
g：眼内炎
③専門医での処置が必要だが，それほど急を要しない疾患
①視神経炎
②網膜静脈閉塞症
③角膜炎
④強膜炎
⑤角膜ヘルペス
⑥眼窩底骨折，眼窩部骨折，視束管骨折
⑦涙嚢炎
④プライマリケアが中心となり，改善の認められない場合のみ専門医への紹介が必要な疾患
①結膜炎
②結膜異物，角膜異物（表層）
③角膜上皮障害（コンタクトレンズ障害を含む）
④麦粒腫・霰粒腫
⑤結膜下出血
⑥眼瞼炎
⑦睫毛乱生
＜主訴からみた眼科救急疾患のポイント＞
①問診のみである程度診断可能なもの
①角膜・結膜異物（作業中）
②コンタクトレンズによる眼障害
③結膜下出血
④電気性眼炎
②視力（見え方）の変化
①突然の高度な視力障害：網膜剥離，網膜中心動脈閉塞症，視神経炎，硝子体出血，中毒
②緩徐に進行する視力障害：屈折異常，白内障，黄斑変性症，角膜変性症，視神経症
③複視
a：単眼性：白内障，屈折異常（乱視）
b： 両眼性：眼筋麻痺，斜視，眼窩腫瘍，筋無力症，眼窩底骨折，内頸動脈海綿静脈洞瘻
④羞明（まぶしさ）：結膜炎，角膜炎，ぶどう膜炎
⑤霧視（ぼーっとする）：角膜炎，ぶどう膜炎，白内障
⑥飛蚊症（黒いものが飛んでいるように見える）：後部硝子体剥離，網膜剥離，硝子体出血，
網膜静脈閉塞症，ぶどう膜炎
⑦光視（光が飛ぶ）：網膜裂孔，網膜剥離，ぶどう膜
⑧虹視（光を見ると虹の輪が見える）：急性緑内障発作，角膜浮腫，角膜変性症
⑨視野の中心部が見づらい，物がゆがんで見える：中心性網膜炎，黄斑変性症，視神経炎
⑩視野の一部が暗くなった：網膜剥離，硝子体出血，網膜静脈閉塞症，閃輝暗点（片頭痛）
③視力（見え方）以外の主訴
①眼脂：結膜炎，涙嚢炎，眼瞼炎
②充血：結膜炎，角膜炎，麦粒腫，ぶどう膜炎，翼状片，強膜炎，角膜潰瘍，眼内炎
③かゆみ：アレルギー性結膜炎，眼瞼炎，ドライアイ
④流涙：結膜炎，角膜炎，涙嚢炎，鼻涙管閉塞
⑤結膜浮腫（ゼリー状に腫れた）：アレルギー性結膜炎
⑥異物感：結膜角膜異物，電気性眼炎，角膜ヘルペス，角膜潰瘍，結膜結石，角膜びらん，
睫毛乱生
⑦眼痛（刺すような痛み）：強膜炎，角膜異物
⑧眼痛（鈍痛）：ぶどう膜炎，緑内障，眼窩蜂巣炎，眼内炎
⑨眼痛（眼部周辺）：麦粒腫，涙嚢炎，眼内炎
⑩眼精疲労：屈折異常，斜視，調節異常，輻輳障害，緑内障，ドライアイ，全身疾患，
心身症，神経症，環境因子
＜眼症状からみた眼科救急疾患の鑑別＞
①出血
①結膜下出血：だいたいが特発性．出血で球結膜全体が覆われる大出血もある．
易出血性疾患に注意
②前房出血：外傷に伴うものがもっとも多い．非外傷性の場合には眼疾患を精査する必要
がある．糖尿病網膜症，ぶどう膜炎，網膜剥離など
③眼底出血・硝子体出血：糖尿病網膜症，網膜静脈閉塞症，高血圧性網膜症，網膜剥離，
Ealse 病など
②浮腫
①眼瞼浮腫：（アレルギー性）結膜炎，麦粒腫，炎症性霰粒腫，眼瞼炎，眼窩蜂巣炎，
循環障害など
②結膜浮腫：（アレルギー性）結膜炎
③角膜浮腫：角膜炎，急性緑内障，角膜フリクテン，角膜変性症，内眼手術後，円錐角膜
④黄斑浮腫：糖尿病網膜症，網膜静脈閉塞症，内眼手術後，黄斑変性症
③炎症
①眼瞼部の炎症：麦粒腫，炎症性霰粒腫，涙嚢炎，眼瞼炎，眼瞼結膜炎，眼部帯状ヘルペス
②前眼部の炎症：結膜炎，角膜炎，フリクテン性角結膜炎，強膜炎，前部ぶどう膜炎
③内眼部の炎症：ぶどう膜炎，網脈絡膜炎，眼内炎，急性緑内障発作，糖尿病網膜症
④眼圧
①上昇：緑内障，ぶどう膜炎，強膜炎，Posner－Schlossman 症候群，眼球打撲
②低下：眼球打撲，網膜剥離，内眼手術後
⑤眼球運動障害
脳神経麻痺，眼筋麻痺，糖尿病，ミオパチー，眼筋炎，眼窩腫瘍，眼窩底骨折．
⑥視神経乳頭異常
頭蓋内圧亢進，高度近視，乳頭炎，前部虚血性視神経症，緑内障，視神経炎など．
⑦瞳孔異常
前部ぶどう膜炎，Horner 症候群，Adie 症候群，動眼神経麻痺，中毒など．
⑧眼球突出
甲状腺眼症，眼窩腫瘍，眼窩蜂巣炎，内頸動脈海綿静脈洞瘻，球後出血など．
①数分以内に処置が必要な疾患
①眼化学熱傷
②網膜中心動脈閉塞症
②できるだけ早く（数時間以内）専門医での処置が必要な疾患
①外傷性
a：穿孔性眼外傷・眼内異物
b：眼球打撲（前房出血，外傷性ぶどう膜炎）
c：眼瞼裂傷
d：角膜異物（深層）
②非外傷性
a：急性緑内障発作
b：急性ぶどう膜炎発作
c：角膜潰瘍
d：眼窩蜂巣炎
e：網膜剥離
f：円錐角膜のDescemet 膜破裂
g：眼内炎
③専門医での処置が必要だが，それほど急を要しない疾患
①視神経炎
②網膜静脈閉塞症
③角膜炎
④強膜炎
⑤角膜ヘルペス
⑥眼窩底骨折，眼窩部骨折，視束管骨折
⑦涙嚢炎
④プライマリケアが中心となり，改善の認められない場合のみ専門医への紹介が必要な疾患
①結膜炎
②結膜異物，角膜異物（表層）
③角膜上皮障害（コンタクトレンズ障害を含む）
④麦粒腫・霰粒腫
⑤結膜下出血
⑥眼瞼炎
⑦睫毛乱生
＜主訴からみた眼科救急疾患のポイント＞
①問診のみである程度診断可能なもの
①角膜・結膜異物（作業中）
②コンタクトレンズによる眼障害
③結膜下出血
④電気性眼炎
②視力（見え方）の変化
①突然の高度な視力障害：網膜剥離，網膜中心動脈閉塞症，視神経炎，硝子体出血，中毒
②緩徐に進行する視力障害：屈折異常，白内障，黄斑変性症，角膜変性症，視神経症
③複視
a：単眼性：白内障，屈折異常（乱視）
b： 両眼性：眼筋麻痺，斜視，眼窩腫瘍，筋無力症，眼窩底骨折，内頸動脈海綿静脈洞瘻
④羞明（まぶしさ）：結膜炎，角膜炎，ぶどう膜炎
⑤霧視（ぼーっとする）：角膜炎，ぶどう膜炎，白内障
⑥飛蚊症（黒いものが飛んでいるように見える）：後部硝子体剥離，網膜剥離，硝子体出血，
網膜静脈閉塞症，ぶどう膜炎
⑦光視（光が飛ぶ）：網膜裂孔，網膜剥離，ぶどう膜
⑧虹視（光を見ると虹の輪が見える）：急性緑内障発作，角膜浮腫，角膜変性症
⑨視野の中心部が見づらい，物がゆがんで見える：中心性網膜炎，黄斑変性症，視神経炎
⑩視野の一部が暗くなった：網膜剥離，硝子体出血，網膜静脈閉塞症，閃輝暗点（片頭痛）
③視力（見え方）以外の主訴
①眼脂：結膜炎，涙嚢炎，眼瞼炎
②充血：結膜炎，角膜炎，麦粒腫，ぶどう膜炎，翼状片，強膜炎，角膜潰瘍，眼内炎
③かゆみ：アレルギー性結膜炎，眼瞼炎，ドライアイ
④流涙：結膜炎，角膜炎，涙嚢炎，鼻涙管閉塞
⑤結膜浮腫（ゼリー状に腫れた）：アレルギー性結膜炎
⑥異物感：結膜角膜異物，電気性眼炎，角膜ヘルペス，角膜潰瘍，結膜結石，角膜びらん，
睫毛乱生
⑦眼痛（刺すような痛み）：強膜炎，角膜異物
⑧眼痛（鈍痛）：ぶどう膜炎，緑内障，眼窩蜂巣炎，眼内炎
⑨眼痛（眼部周辺）：麦粒腫，涙嚢炎，眼内炎
⑩眼精疲労：屈折異常，斜視，調節異常，輻輳障害，緑内障，ドライアイ，全身疾患，
心身症，神経症，環境因子
＜眼症状からみた眼科救急疾患の鑑別＞
①出血
①結膜下出血：だいたいが特発性．出血で球結膜全体が覆われる大出血もある．
易出血性疾患に注意
②前房出血：外傷に伴うものがもっとも多い．非外傷性の場合には眼疾患を精査する必要
がある．糖尿病網膜症，ぶどう膜炎，網膜剥離など
③眼底出血・硝子体出血：糖尿病網膜症，網膜静脈閉塞症，高血圧性網膜症，網膜剥離，
Ealse 病など
②浮腫
①眼瞼浮腫：（アレルギー性）結膜炎，麦粒腫，炎症性霰粒腫，眼瞼炎，眼窩蜂巣炎，
循環障害など
②結膜浮腫：（アレルギー性）結膜炎
③角膜浮腫：角膜炎，急性緑内障，角膜フリクテン，角膜変性症，内眼手術後，円錐角膜
④黄斑浮腫：糖尿病網膜症，網膜静脈閉塞症，内眼手術後，黄斑変性症
③炎症
①眼瞼部の炎症：麦粒腫，炎症性霰粒腫，涙嚢炎，眼瞼炎，眼瞼結膜炎，眼部帯状ヘルペス
②前眼部の炎症：結膜炎，角膜炎，フリクテン性角結膜炎，強膜炎，前部ぶどう膜炎
③内眼部の炎症：ぶどう膜炎，網脈絡膜炎，眼内炎，急性緑内障発作，糖尿病網膜症
④眼圧
①上昇：緑内障，ぶどう膜炎，強膜炎，Posner－Schlossman 症候群，眼球打撲
②低下：眼球打撲，網膜剥離，内眼手術後
⑤眼球運動障害
脳神経麻痺，眼筋麻痺，糖尿病，ミオパチー，眼筋炎，眼窩腫瘍，眼窩底骨折．
⑥視神経乳頭異常
頭蓋内圧亢進，高度近視，乳頭炎，前部虚血性視神経症，緑内障，視神経炎など．
⑦瞳孔異常
前部ぶどう膜炎，Horner 症候群，Adie 症候群，動眼神経麻痺，中毒など．
⑧眼球突出
甲状腺眼症，眼窩腫瘍，眼窩蜂巣炎，内頸動脈海綿静脈洞瘻，球後出血など．
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