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胆石症

別名 cholelithiasis

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 胆石は検診の約1割で見つかる.
  2. 結石の位置,個数を明確につかむ.一般に胆管結石症は内科的に治療され,胆嚢結石は外科的に治療されるため,胆嚢以外の結石をすべて内科的に処理してから胆嚢結石に対し腹腔鏡的胆嚢摘出術を行う.
  3. 高齢者では胆嚢穿孔率も手術死亡率も高くなる.また胆管結石で胆管閉塞を起こせば,胆道感染が加わることで容易に急性閉塞性化膿性胆管炎に至り,決して楽観できない疾患である.有症状例は原則として入院とする.
  4. 胆嚢癌のリスクファクターとしても重要である(胆石症の患者に胆嚢癌が合併する率は1~3%だが,胆嚢癌患者の60~80%に胆石が併存している).
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検査

  1. ①腹部エコー
     胆嚢結石の描出に最も優れ,結石の種類が推定できる点が他の検査にない特徴.肝内結石の描出もX線CTと同等に良好だが,肝外結石の描出率はそれほどよくない.間接的所見として,胆嚢壁の変化(層構造の変化,肥厚など),総胆管,肝外胆管の拡張の有無も確かめる.
  2. ②X線CT
     結石の描出率はエコーに劣るが,結石の石灰化の有無(逆に石灰化のある結石では数 mm のものでも描出でき,むしろエコーより鋭敏),胆嚢癌合併の有無(dynamic 撮影が必要)をみる.
  3. ③点滴静注胆道造影法(DIC)
     総胆管内の結石の存在,胆嚢収縮能をみる.ただしT-Bil 3 mg/dL 以上,ALP 300 IU/L 以上,AST 75 IU/L 以上,ALT 70 IU/L 以上では,良好な造影は得られない.
  4. ④MRI
     非観血的胆管直接造影としてMRCPが重要である.呼吸静止が十分得られれば,ERCと遜色のない画像が得られる.
  5. ⑤ERCP
     胆管の直接造影法.総胆管内の結石の存在,胆嚢管および胆管の分枝異常および走行異常の有無をみる.
  6. ⑥PTC
     胆管閉塞が存在し,経乳頭的に直接胆管造影が得にくいとき,経肝的に直接造影を行う.
  7. ⑦超音波内視鏡
     胆嚢癌合併の除外,胆嚢頸部の結石や下部胆管結石の描出が腹部エコーに優れる.特に層構造の描出に優れる.
  8. ⑧血液検査
    1. ①血液生化学:胆道系酵素(ALP,γGTP,LAP)と T-Bil の上昇→胆管系閉塞の可能性あり.トランスアミナーゼの上昇が激しく一次性に肝障害があるのか胆汁うっ滞による二次性のものなのか鑑別に苦しむことがある.アミラーゼは膵炎の合併をみる.このほか血糖,腎機能,電解質も調べる.単純な胆石発作では数値異常を認めないことが多い.
    2. ②CRP,凝固系,赤沈:炎症の強さ,胆道感染の有無と,胆道感染に続発しやすい DIC(汎血管内凝固症候群)の傾向をみる.
    3. ③腫瘍マーカー:CEA,CA19-9.これらの腫瘍マーカーは偽陽性,偽陰性に要注意.

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