ナイアシンテスト
ナイアシンテスト
別名 | 抗酸菌同定,ヒト型結核菌同定検査 |
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臨床的意義
- 本検査は,抗酸菌分離培養で抗酸菌が分離された場合に行われる.
- ヒト型結核菌を他の抗酸菌と鑑別する.ナイアシンテストが陽性となる抗酸菌のうち,最も頻度の高いものがヒト型結核菌である.核酸同定法の普及に伴い,ナイアシンテストのみでヒト型結核菌を同定することはなくなり,その臨床的意義は数多くの抗酸菌性状試験の一つとみなされるようになってきた.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性
変動要因 - 陽性
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ヒト型結核菌
ヒト型結核菌およびMycobacterium simiae,Mycobacterium marinum,Mycobacterium chelonaeの一部の菌株
- 次に必要な検査
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今後の検査の進め方
- ヒト型結核菌以外にもナイアシンテストが陽性となるので,その他の性状試験や核酸同定法からヒト型結核菌であることを確認する.
- 変動要因
- 既知の抗酸菌(テスト陽性のヒト型結核菌と陰性のMycobacterium intracellulareなど)を用いて,試験が正しく実施,判定されていることを確認する.
- ヒト型結核菌以外にも,M.simiae,M.marinum,M.chelonaeなどの一部の菌株が陽性となる.
- 少ない菌量で試験を行うと偽陰性に判定される.また,複数の異なる菌種が混在する場合には誤判定を生じる.
( 山根誠久 )
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