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16番染色体逆位

16番染色体逆位

略称 inv(16)(p13q22)/t(16;16)(p13;q22)

臨床的意義

  • この異常を持つ症例は以下のような特徴がある.①骨髄で異常な好酸球(粗大な好塩性顆粒を含み,異常な形態を示す好酸球)の増多が認められる,②寛解に入りやすく,予後はAML中で最良である,③再発時に中枢神経系浸潤,特に頭蓋内腫瘍を伴いやすい.①のような特異な形態を示す異常好酸球ではinv(16)の存在を証明しうるので,これらの異常好酸球は反応性に増加したものではなく,起源的に白血病細胞由来であると考えられている.
  • inv(16)/t(16;16)症例はAML中,予後最良とされているが,最近,年齢が再発リスクと関連があるとされ,inv(16)/t(16;16)群中の予後不良因子とされている.しかし,①男性であること,②+22の合併があることは予後良好因子とされている.
  • 染色体レベルではinv(16)やt(16;16)は認められないが,RT-PCRではCBFB/MYH11 mRNAが検出できるcryptic translocationもある.その場合は,M4やM2であり,M4Eoではない.cryptic inv(16)/t(16;16)症例と通常のinv(16)/t(16;16)症例では,臨床像に差はない.
  • 本検査でAMLの中の予後最良群を特定できる.
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( 佐藤裕子 )
臨床検査項目辞典

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「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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