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ビタミンA

ビタミンA

別名 レチノール

臨床的意義

本検査は次の場合に行われる.
  1. ビタミンA欠乏症あるいは過剰を疑うとき.
  2. 吸収不良症候群を疑うとき.
  3. 肝疾患の予備能の指標として.
  • 生体内ビタミンAは主として摂取した食物中のレチノール,レチノールエステルに由来するものが1/3,プロビタミンA(β-カロチン)に由来するものが2/3を占めるといわれている.
  • 血中のレチノールは肝で生成されるレチノール結合蛋白(RBP)と結合し肝より放出され標的臓器へ運搬されるため,肝障害では肝にビタミンAが存在していても血中レチノールは減少し,ビタミンA欠乏状態となる.
  • RBPは腎で分解され,一部が再吸収された後尿中へ排泄されるが,レチノールは排泄されないため過剰症をきたす.
  • 肝・胆道疾患における血漿レチノール濃度の変化は鋭敏であるため,疾患の重症度や肝予備能の指標となる.
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基準値・異常値

基準範囲
431~1,041ng/ml
変動要因
高値

ビタミンA過剰症、  過栄養性脂肪肝、  甲状腺機能低下症、  高脂血症、  腎不全

ビタミンA過剰症,過栄養性脂肪肝,高脂血症,腎不全,甲状腺機能低下症

低値

ビタミンA欠乏症、  亜鉛欠乏症、  外傷、  感染症、  肝疾患、  吸収不良症候群、  甲状腺機能亢進症、  閉塞性黄疸

ビタミンA欠乏症,吸収不良症候群,肝疾患(過栄養性脂肪肝を除く),閉塞性黄疸甲状腺機能亢進症,感染症,外傷,亜鉛欠乏症

次に必要な検査
  • RBP値と比較し,病態を把握する.
  • 肝疾患,腎疾患,甲状腺機能異常などの有無
変動要因
  • 食後やビタミンA剤投与時は高値になる.採血時刻のチェック.
  • 紫外線,酸素との接触により分解されるので,遮光し,凍結保存.血清分離,保存状況のチェック.
( 橋詰直孝 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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