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抗心筋抗体

抗心筋抗体

略称 AMA
別名 心筋抗体,antimyocardial antibody,cardiac antibody

臨床的意義

  • 本検査は,特発性心筋症で自己免疫機序の関与が推定される場合,リウマチ熱において活動性の把握する場合,あるいは膠原病で心合併症を疑うときなどにおいて行われる.
  • 心筋疾患で陽性となる.特に心筋炎,心筋症(cardiomyopathy)の一部において自己免疫性の病因的関与も想定されている.報告されている陽性率は心筋炎(25%),特発性心筋症(9~60%),心筋梗塞(13~40%),狭心症(16~27%),弁膜疾患(8~23%)などである.心筋の組織破壊により二次的に抗体産生が起こる場合と,病態形成に直接的に関与する場合があると考えられ,心疾患への免疫機序の関与の可能性の有無を知ることができる.
  • リウマチ熱患者においては,疾患活動性の指標として使用することができる.
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基準値・異常値

基準範囲
陰性(20倍未満)
変動要因
高値

PN、  PSS、  RA、  SLE、  アミロイドーシス、  リウマチ熱、  自己免疫性心筋炎、  心筋梗塞、  心臓手術後、  特発性心筋症

自己免疫性心筋炎,特発性心筋症,リウマチ熱,心臓手術後,心筋梗塞,RA,SLE,PSS,PN,アミロイドーシス

次に必要な検査
各種検査(胸部X線検査,心電図,心臓超音波検査,心臓カテーテル検査,心内膜心筋生検など)により原疾患の検索を進める.リウマチ熱であればA群溶連菌による感染を確認する.
変動要因
健常者でも陽性の場合がある(8~20%).健常者で陽性となる抗体はIgM型で,心筋と骨格筋の両方に反応する一方,心筋疾患に関連する抗体はIgG型で骨格筋とは反応しないとの報告もあり,その場合,同時に抗骨格筋抗体検査も施行すると理解に役立つと思われる.
( 今福裕司 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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