『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
本検査は,発熱,咽頭痛および肝機能障害などの症状でEBウイルス感染症が疑われるとき,またはEBウイルス関連腫瘍を疑うときに行われる.
臨床場面では下記のような指標として利用される.
臨床場面では下記のような指標として利用される.
- 未感染:すべてのEBウイルス抗原に対する抗体が陰性.
- 既感染:抗VCA IgG抗体および抗EBNA抗体が陽性.
- 伝染性単核症:思春期以降の若年者の初感染によって起こる良性疾患.急性期に抗VCA IgG抗体陽性で抗EBNA抗体陰性となる.抗VCA IgM抗体の検出が確定診断となる.
- 慢性活動性EBウイルス感染症:発熱,肝腫および脾腫などで発症し,多臓器不全を起こすなど予後が非常に悪い疾患.抗VCA IgG抗体および抗EA-DR IgG抗体が異常な高値を示す.
- EBウイルス関連血球貪食症候群:発熱,肝脾腫,発疹,神経症状および汎血球減少が主な症状で,ときに致死的な転帰をとることもある.抗VCA IgG抗体陽性,抗EBNA抗体陰性の初感染型を示す.
- Burkittリンパ腫:熱帯アフリカに多発する小児顔面のBリンパ腫.c-myc遺伝子の転座が認められる.抗VCA IgG抗体および抗EA-DR IgG抗体ともに強陽性.
- 上咽頭癌:上咽頭部分に原発する扁平上皮癌.抗VCA IgG抗体および抗EA-DR IgG抗体強陽性.抗VCA IgA抗体の検出が診断の一助となる.
- B細胞性日和見リンパ腫:細胞性免疫機能が低下した宿主にみられるリンパ腫で,潜伏感染状態にあるBリンパ球が無限増殖することによって起こる.抗VCA IgG抗体および抗EA-DR IgG抗体ともに強陽性.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。 |
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陽性 |
Burkittリンパ腫、 B細胞性日和見リンパ腫、 上咽頭癌、 慢性活動性EBウイルス感染症
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( 小林 了 )