『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 鉄代謝異常の病態の診断に重要な検査である.特に鉄欠乏性貧血,鉄芽球性貧血,ヘモクロマトーシス(種々の臓器に貯蔵鉄が沈着する疾患)の診断に意義がある.
- 鉄欠乏性貧血では鉄芽球の著しい減少あるいは欠如が認められる.
- 鉄芽球は正常ないし軽度の減少なのに,鉄の利用が悪いために相対的に鉄欠乏性貧血になる持続性の貧血(慢性炎症,悪性腫瘍,膠原病などに伴う貧血)の鑑別にも鉄染色は有用である.
- ヘム合成異常を伴わない鉄過剰状態(ヘモクロマトーシスなど)では鉄芽球,鉄赤血球の増加をみる.赤芽球の成熟異常をきたす場合には鉄赤血球が増加する.正常ではミトコンドリア内の鉄は染まらないが,ヘム合成異常を伴う鉄過剰状態(骨髄異形成症候群,ピリドキシン欠乏症,鉛中毒など)では過剰の鉄がミトコンドリア内に沈着,核周囲の1/3以上を花冠状,環状に取り込む環状鉄芽球(ringed sideroblast)が認められる.