『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
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尿酸(尿)
UA(尿)
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- プリン体の代謝異常(痛風),白血病など核酸の血中への逸脱が生じる疾患の鑑別診断,治療方針の決定,治療効果の判定に際し検査する.ただし,他の検体検査,画像診断が進歩した現在,検査の頻度は減少している.
- 尿中尿酸値は必ず血清尿酸値と対比して観察する必要がある.
- 尿中への尿酸排泄量は血清尿酸値と関連しているが,高尿酸血症は尿酸の産生(合成)過剰(約20%),排泄低下(約60%),両者の混合(約20%)により引き起こされると考えられている.
- 痛風患者では,血清中の尿酸値が高くなると,単位時間当たりの尿酸排泄量は逆に低下傾向を示す.この痛風の診断と鑑別に有用なのが尿酸クリアランスの測定である.
- また尿酸クリアランスや尿中尿酸値と尿中クレアチニン値(Cr)との比率の測定は,高尿酸血症が尿酸の過剰産生型か排泄低下型かを鑑別するのに適し,治療薬の選択(尿酸生成抑制剤,尿酸排泄促進剤)にも用いられる.一般に,尿UA(mg/dl)/尿Cr(mg/dl)×100(%)=60%以上が尿酸過剰産生型である.
基準値・異常値
不特定多数の正常と思われる個体から統計的に得られた平均値。
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0.4~1.2g/day
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高値
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Down症候群、 Lesch-Nyhan症候群、
高脂血症、 高蛋白食摂取後、 真性多血症、
多発性骨髄腫、
痛風、 尿酸再吸収不全、
白血病
痛風,白血病,Lesch-Nyhan症候群,多発性骨髄腫,真性多血症,高脂血症,Down症候群,尿酸再吸収不全,高蛋白食摂取後,薬剤(尿酸排泄剤,エストロゲン,造影剤など)
次に必要な検査
高 尿酸尿すなわち高 尿酸血症の原因疾患の検索がまず必要である.
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低値
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5-ホスホリボシルピロリン酸合成酵素欠損症、 PNP欠損症、 キサンチン尿症、 解糖系中間代謝異常、
肝疾患、 成人型糖原病Ⅰ型、
排泄低下型痛風
排泄低下型痛風,キサンチン尿症,PNP欠損症,5-ホスホリボシルピロリン酸合成酵素欠損症,肝疾患,成人型糖原病Ⅰ型,解糖系中間代謝異常,薬剤(アロプリノール,ピラジナミド,サイアザイド系降圧利尿薬,抗てんかん薬など)
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変動要因
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- 尿酸は水に溶けにくく,特に酸性尿で顕著である.100mlの常温水に溶ける尿酸量は,pH8で1,520mgなのに対し,pH5では8mgにすぎない.したがって尿中尿酸は尿酸塩として沈殿しやすく,蓄尿の一部で測定するときは十分に混和した試料を用いないと著しく低値を示す.
- また,尿に赤褐色の尿酸結晶や尿酸塩の沈殿があるときは60℃で加温し,よく溶かして混和したものを試料とする.
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「最新 臨床検査項目辞典」監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.