『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- バンコマイシンの点滴静注による治療を新たに開始したとき,腎機能に変化がみられたとき,投与が長期化するときに血中濃度モニタリングを実施する.経口投与の場合,消化管からの吸収はほとんどないとされている.偽膜性大腸炎などで経口投与された場合,病変部から吸収され血中から検出されることもあるが,血中濃度モニタリングは不要である.
- 感染症,検出菌,検出部位,臨床所見を考慮し,安全かつ有効な投与法(投与量,投与間隔,点滴速度)を患者ごとに設定するため,バンコマイシンの点滴静注による治療時には適切な血中濃度モニタリングを実施することが望ましい.バンコマイシンの血中濃度と母集団パラメータを基に解析して得られた投与設定を参考にして,患者ごとの最適な投与法で治療することが重要である.
- 腎機能の変化によって血中濃度推移も変化するため,細菌検査を含めた感染症の経過を把握するための検査とともに,腎機能に関する検査を実施する.腎機能が変化した場合には,再度,血中濃度モニタリングを実施して投与法を再設定する.
- 重大な副作用として,ショック,アナフィラキシー様症状,急性腎不全,間質性腎炎,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少,皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群),剥脱性皮膚炎,第8脳神経障害(眩暈,耳鳴,耳閉感,難聴),偽膜性大腸炎,肝機能障害,黄疸などが知られている.
メチシリン,セフェム耐性の黄色ブドウ球菌のうちバンコマイシン感受性菌による感染症