『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- コルチゾールの副腎からの分泌が視床下部(CRF)-下垂体(ACTH)の支配のもとフィードバック機構が成立しているので,この系のどこに異常があっても17-OHCSは変化する.ACTH,コルチゾールは日内変動を示すので,17-OHCSは朝高く,夕に低下する日内変動を示す.
- 17-OHCSが高値の場合には,副腎に病変があるのか(副腎性Cushing症候群),下垂体に病変があるのか(Cushing病),異所性にACTH過剰があるのか(異所性ACTH産生腫瘍)の鑑別が必要となる.鑑別診断には血中コルチゾール,ACTHの測定が必要となる.
- 17-OHCSが低値の場合には,副腎に病変があるのか〔Addison病,先天性副腎皮質過形成(21-OH lase欠損症,17α-OH lase欠損症)〕,視床下部下垂体に病変があるのか(視床下部下垂体機能低下症,Sheehan病,ACTH単独欠損症)の鑑別が必要となる.治療に用いる糖質コルチコイドのうち,17-OHCSとして反応する骨格を持つもの(ヒドロコルチゾンなど)は服用中17-OHCSは上昇するが,デキサメサゾンなどでは17-OHCSは低下する.