『弊社は検査機器・試薬メーカーでありまして、検査を受託することが出来ません。弊社プライマリケアサイトのスピード検索におきましては、
医歯薬出版株式会社からの許諾を受けて「臨床検査項目辞典」の情報を一部転載させていただいております。』
各検査項目がどのような目的で用いられているかを示します。
- 低カルシウム血症あるいは,高カルシウム血症の鑑別診断において,副甲状腺機能異常が疑われる場合に測定する.Ellsworth-Howard試験は副甲状腺機能低下症が確認された場合に限り,鑑別診断の目的で行う.
- 腎原性cAMPを算出する際,Ellsworth-Howard試験の際に測定する.腎性尿崩症において,ADH投与によって尿中cAMPが増加するⅡ型,増加しないⅠ型の病型診断に用いることがある.
- 尿中cAMPは腎尿細管由来のcAMPを多く含むことから,副甲状腺疾患の診断に有用である.
- PTHは腎尿細管に存在するPTH受容体に結合して,細胞内cAMP産生を促進する.細胞内cAMPの一部が尿細管腔に排泄され尿中cAMPとして測定される.したがって,PTHが欠乏する術後性副甲状腺機能低下症,特発性副甲状腺機能低下症,PTH受容体からアデニル酸シクラーゼまでの伝達系に障害のある偽性副甲状腺機能低下症1型では尿中cAMPは低下する.原発性副甲状腺機能亢進症,PTHrPによる悪性腫瘍由来の高カルシウム血症では尿中cAMPは増加する.
- 尿中cAMPは腎機能の影響を受けやすく,GFR 40ml/min以下の場合には副甲状腺機能の指標としての信頼性は低くなる.血漿cAMP濃度に影響する薬物(【→】「サイクリックAMP」p.451)服用時には影響を受ける.