沈渣の検体は看護師さんの手作業で作られるため、その手順を覚えてもらわなければなりませんし、検体にばらつきが出てきます。しかし、機械だったら操作の習熟が速く、安定した検査結果を得ることができます。洗浄や片付けにも手間がかかりません。以前と比べて、看護師さんの作業量は格段に減っているでしょう。色々な利点があって良かったと思います。ただ、装置に必要な試薬や記録紙など消耗品が増えました。
泌尿器科専門クリニックの場合、やはりUF-5000ぐらいの検査レベルが必要です。また、この装置には研究用項目として異型細胞※の検出機能や細菌グラム染色性情報※などが装備されているので、注意すべき検体を見つけるうえで大変参考になります。
検査が短時間になったので、患者さんの待ち時間は短くなるはずです。しかし、診察時間がボトルネックになってしまい、待ち時間としては大きな差が出ませんでした。診察にはどうしても一定時間かかります。それでも検査時間が短縮された分、医師や看護師が患者さんと向き合う時間は増えたと感じています。
また、これまで患者さんは、医師が顕微鏡を覗いて何をしているのかわかりませんでした。それが今は記録紙に印字されているデータを見ることによって、何が検査されているか知ることができます。診断に必要とされる部分は一部ですが、印字された様々な項目は視覚に訴える要素があるように思います。
※本項目は研究用項目であり、診断に用いることはできません。