つるたクリニック眼科・泌尿器科は2023年5月、名古屋市北区のドラッグコスモス中丸店 2階に開業されました。外来患者数は1日30~40人。年齢層は幅広いですが、約半数は65歳以上の高齢者です。男女比は大体2:1、ここ最近は女性が増えています。高齢の男性は排尿障害で悩んでいる方が多く、女性は膀胱炎や頻尿といった女性特有の疾患で来院されます。小児で多いのは夜尿症、20代は感染症といったところです。
かかりつけ医として泌尿器科のみならず、患者さんの様々な悩みに対応している鶴田 勝久先生にお話を伺いました。
尿には赤血球や白血球、結晶、上皮細胞、細菌など様々なものが存在しますが、実際、患者さんの尿中に何が含まれているのかは、尿沈渣を行ってみないとわかりません。尿沈渣検査を行うのは泌尿器科のスペシャリストとして当然のことだと思っています。尿試験紙によるpH、尿タンパク、尿糖といった定性検査は、内科の医師でも行うことができますので、泌尿器科専門医として、さらに踏み込んだ検査を行い、自信をもって判断できるようにするためにも尿沈渣検査は重要だと考えます。
全自動で尿中の有形成分を測定できる装置の存在は知っていましたが、製品名までは知らなかったです。開業の際、顕微鏡による鏡検をするつもりはなかったので、いろいろと調べました。UFシリーズ※1※2を導入した知人に、話を聞いたりもしました。その医師からは「1回使ったら効率化が凄く図れて、もう元に戻れないよ」と言われたことを覚えています。初めて展示会でUF−1500※1を見た時には、想像よりも大きいと感じましたが、UF-5000※2と比べてコンパクトになった点を理解し、導入を決めました。
※1:全自動尿中有形成分分析装置 UF-1500(医療機器製造販売届出番号:28B1X10014000060)、※2:全自動尿中有形成分分析装置 UF−5000(医療機器製造販売届出番号:28B1X10014000041)はシスメックス株式会社を製造販売元とする全自動尿中有形成分分析装置です。
まず、目視で沈渣するとなると、看護師が沈渣標本を作ることになります。その技術をきちんと身に着け、安定した標本を作るためには手間と時間がかかる。さらに運営の面では、何よりも効率化を考えなければなりません。UF−1500は約75秒で検査結果が出ますし、カウントの正確度、再現性が極めて高い。導入については、先行投資として必要なことだと思いました。
尿路感染症治療を行う際に使用する薬剤の第一選択は決まっていますが、投与量や投与期間、年齢などによっては選択を変更する場合があります。UF−1500には細菌グラム染色性情報(BACT-Info.)※2という研究用情報がありますが、こういったデータも注目しています。また、異型細胞等(Atyp.C)※2という研究用項目も面白い項目だと思っています。注意すべき検体を見つける上で今後、指標にできると良いなと思います。こういった項目一つとって何かを判断することはないですが、情報量が増えれば、さらに検査が充実していくのではと考えています。
※2:これらの項目・情報は研究用です。測定結果を診断目的に使用しないでください。