岐阜県各務原市の西野クリニックは、泌尿器科専門クリニックとして2005年に開業されました。現在、1日当たりの外来患者数は泌尿器科だけで約100人、患者さんの年齢構成比は60歳以上が4割、15~60歳が4割、15歳以下が2割です。
西野院長は、患者さんが子どもの頃から高齢者になるまで、さまざまな年齢段階において泌尿器科疾患の相談ができる地域に根ざした医療機関であることを目指しています。
UF-1000iの導入の決め手となったのは「正確性」と「迅速性」、特に「正確性」ですね。UF-1000iは検体を機械に流すだけで測れるので、標本作製の技量差の影響も受けずに正確な結果を得ることができます。また、標本作製が不要になったのでスタッフの手間も大きく減り、導入後は診察時間も短縮されました。
UF-1000i導入前、私はずっと全ての患者に鏡検して尿沈渣を行ってきました。遠心機で沈渣を行い、スポイトでサンプルを採取するわけですが、開業してからは看護師など院内スタッフが行うようになりました。ところが尿の残し方、サンプル採取の方法など、スタッフによって個人差があります。技量の差によって標本の作製がうまくいかないと標本作製量が増えますし、何よりも一人の患者さんの診察に時間がかかってしまいます。泌尿器科にとって尿検査の所見の見落としは絶対に避けたいため、一つの検体に時間をかけてしまいます。自分の目が頼りになって、時にストレスになることもあります。UF-1000iとダブルチェックすることは最強な診断になると考えています。
疾患の早期診断
赤血球の形態情報はがんの早期発見に有用
研究情報である血球形態情報はisomorphic RBC(均一赤血球)、dysmorphic RBC(変形赤血球)の情報を提供します。
無症状の患者さんでも赤血球、白血球の上昇に加えdysmorphic RBCの出現により糸球体からの出血が示唆され、悪性腫瘍を疑えます。
CT等を行わずに尿路結石を推測
尿路結石の場合、残尿感や頻尿の症状と言った膀胱炎症状のみで他の症状がでないことがあります。
このため、試験紙の尿鮮血と白血球で膀胱炎を診断されることがあります。
白血球と結晶の存在から尿結石が見つかるケースがあることから、当クリニックでは膀胱炎症状がある場合にはUF-1000i研究項目の結晶の値を参考にしています。
CT等を行わなくても患者さんの症状と、沈渣の所見で結石の診断は凡そできるわけです。
薬剤効果の判定に有用
尿沈渣とUF-1000iの両方で診断し、白血球の数値が異常ならば早めに対応します。
膀胱炎の薬剤投与判定の参考情報として
ご高齢の女性の場合、抗菌薬の服用中断により膀胱炎を繰り返す方もいらっしゃいます。
症状がなくなっても白血球の数値により炎症反応が認められれば、薬剤の投与を続けなければいけません。同様に、膀胱機能の障害によって自己導尿を行っている患者さんについても症状に無自覚でも、白血球の数値を確認することで炎症を見つけられます。
淋病・クラミジア病により尿道炎を見分ける
同じ尿道炎でも、淋病とクラミジアで白血球数の上昇度合いが異なります。
尿道炎の診断において、白血球は薬剤選択の重要な参考になります。