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血色素量

血色素量

略称 Hb
別名 ヘモグロビン

臨床的意義

  • 本検査は,日常診療における基本的な検査の一つであり,貧血や赤血球増加症を疑うときの診断およびこれらの疾患の経過観察に利用する.一般には同時に測定されている赤血球数,ヘマトクリット値,赤血球指数であるMCV,MCH,MCHCを参考にする.
  • 貧血の有無はHb,貧血の種類はMCV値で判断するのが実際的である.Hbによる貧血の判断基準に関しWHO(世界保健機関)は成人男性13g/dl以下,成人女性12g/dl以下としている.わが国の小児では,1~2ヵ月は11.5g/dl以下,3~5ヵ月は10.5g/dl以下,6ヵ月~6歳は11.0g/dl以下,7歳~15歳は12.0g/dl以下としているものがある.妊婦は11.0g/dl以下としているものが多い.なお,加齢とともにHbは低下するが,60~69歳で11.5g/dl,70歳以上で11.0g/dl以下は貧血を考慮する.
  • Hbが成人男性で18g/dl以上,成人女性で16g/dl以上は赤血球増加症である.
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基準値・異常値

基準範囲
  • 男性14~18g/dl
  • 女性12~16g/dl
変動要因
高値

赤血球増加症〔真性赤血球増加症赤血球増加症〔真性赤血球増加症,二次性赤血球増加症(新生児,高地居住者,先天性心疾患チアノーゼ群,慢性肺疾患,エリスロポエチン産生腫瘍)〕、  脱水

脱水,赤血球増加症〔真性赤血球増加症,二次性赤血球増加症(新生児,高地居住者,先天性心疾患チアノーゼ群,慢性肺疾患,エリスロポエチン産生腫瘍)〕

低値

各種の貧血、  水血症

水血症,各種の貧血

次に必要な検査
Hbに異常を認めたときは,まず赤血球数,ヘマトクリット値,赤血球指数,同時に測定している白血球数血小板数を参照する.次に必要に応じ,末梢血液像で赤血球形態,白血球形態を観察する.貧血があるときには網赤血球の値を参照する.異常にHbが高い場合は,赤血球増加症の種類を鑑別する.
変動要因
輸液ラインから採血していないかどうか,血液サンプルが凝固していないかどうか,水血症や脱水がないかどうかを確認し,必要に応じて再検査を実施する.
( 桑島 実 )
臨床検査項目辞典

「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。

「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.

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