腸重積症
別名 | intussusception |
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690)
Clinical Chart
- 腸重積とは口側腸管が肛門側腸管に引き込まれ,腸管壁が重なり合うことによって起こる腸閉塞症であり,多くは回腸が結腸に入り込む回腸結腸型である.また腸管とともに腸間膜の動静脈も引き込まれるため腸管の循環障害を伴う絞扼性腸閉塞症である.
- 腸重積症の 3 主徴は嘔吐,腹痛(不機嫌),粘血便で,最初からショック状態,傾眠に陥ることもある.離乳期から 3 歳に多くみられ,原因のない特発性が多いが,年長児ではポリープ,メッケル憩室など器質的疾患が原因となりえる.
- 診断がつき次第,非観血的整復術(高圧浣腸)を行うが,発症後長時間(24~48 時間以上)経過例,一般状態不良例,注腸整復不成功例,器質的疾患合併症例は観血的治療を考慮する.
- 2012 年 2 月に「エビデンスに基づいた小児腸重積症の診療ガイドライン」が日本小児救急医学会より発刊されており,推奨される診療行為には推奨度が付記されており,参考に診療を行う.
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診断のチェックリスト
①嘔吐,間欠的腹痛,粘血便の3 主徴に加え,右上腹部に腹部腫瘤を触知するか確認する.Dance 徴候(右上腹部に腫瘤を触知し,右下腹部は空虚となる)が有名である.ガイドラインでは本症に比較的特異性が高い症状と所見として腹痛ないし不機嫌,血便(浣腸を含む),腹部腫瘤ないし膨満,としている.
②診断に超音波は有用であり,Target sign が有名である(図2).
③治療法を決めるため,重症度を判定する.一般的には顔色,脱水,全身状態,血液検査により重症度を判定する.ガイドラインでは重症度評価基準を作成しており,参考にする(表1)
②診断に超音波は有用であり,Target sign が有名である(図2).
③治療法を決めるため,重症度を判定する.一般的には顔色,脱水,全身状態,血液検査により重症度を判定する.ガイドラインでは重症度評価基準を作成しており,参考にする(表1)
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- 図2 Target sign
- a:典型的な超音波画像であり,腸間膜が同時に陥入していると crescent-in-doughnut sign とも表現される.b:高圧浣腸で整復できないため器質的疾患の合併を疑いCTを撮影した症例である.器質的疾患は認めずCTでもTarget signを認める.
- 表1 小児腸重積症の重症度評価基準(試案)
- 表はPC版サイトをご覧ください