月経困難症と子宮内膜症
別名 | dysmenorrhea and endometriosis |
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「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。
詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690)
Clinical Chart
検査
①正確な検査をするためには,腹腔鏡をしなくてはいけないが,産婦人科でも疑いのある場合すべてに腹腔鏡をしているわけではない.
②痛みが月経時に増強している場合,原則として産婦人科受診を勧める.当面内科などでみる場合は,直腸診をして疼痛の場所を確認したのち(Douglas 窩や子宮腟部近くに圧痛があるか),経腹超音波とCA125 を測定する.CA125 が上昇せずCA19-9 のみ上昇する子宮内膜症もあためCA19-9 を同時に測定しておくとなお望ましい.
③腫瘍がある場合,CT,MRI は情報として役に立つため,施行しておくことが望ましい.通常長径が5 cm以上の付属器腫瘍の場合は手術適応があるため,産婦人科へ早めに紹介する.
④超音波像の特徴:チョコレート嚢胞はびまん性の内容エコーを示す.多房性のこともあり,壁の明らかな肥厚を伴う場合も少なくない.経腟法でその特徴ははっきりわかる.
⑤CT 像の特徴:チョコレート嚢胞は,壁が厚くhighenhance であり,内容液のCT 値が高い.多くは20HU 以上である.
⑥MRI:MRI はCT 以上に情報が得られやすい.チョコレート嚢胞は,T1 強調画像,T2 強調画像ともに明瞭な高信号となる.T1 強調画像で均一な高信号を呈していても,T2 強調画像では嚢胞内部にshading とよばれる明瞭な低信号部分が出現することがあり,しばしば多数の小嚢胞の重積として描出される.
⑦CA125 判断の仕方:35 U/mL 未満が正常(CA19-9 は37 U/mL 未満が正常).月経中のCA125 は上昇しやすいので,月経2~5 日目は測定を避ける(それでも健常者は35 U/mL を超えることは少ない).逆に早期の子宮内膜症は月経時にのみCA125 値が上昇するため診断に役立つという報告がある.卵巣腫瘍の場合100 U/mL未満では悪性は考えにくいが,婦人科以外で経過観察するのは危険である.
②痛みが月経時に増強している場合,原則として産婦人科受診を勧める.当面内科などでみる場合は,直腸診をして疼痛の場所を確認したのち(Douglas 窩や子宮腟部近くに圧痛があるか),経腹超音波とCA125 を測定する.CA125 が上昇せずCA19-9 のみ上昇する子宮内膜症もあためCA19-9 を同時に測定しておくとなお望ましい.
③腫瘍がある場合,CT,MRI は情報として役に立つため,施行しておくことが望ましい.通常長径が5 cm以上の付属器腫瘍の場合は手術適応があるため,産婦人科へ早めに紹介する.
④超音波像の特徴:チョコレート嚢胞はびまん性の内容エコーを示す.多房性のこともあり,壁の明らかな肥厚を伴う場合も少なくない.経腟法でその特徴ははっきりわかる.
⑤CT 像の特徴:チョコレート嚢胞は,壁が厚くhighenhance であり,内容液のCT 値が高い.多くは20HU 以上である.
⑥MRI:MRI はCT 以上に情報が得られやすい.チョコレート嚢胞は,T1 強調画像,T2 強調画像ともに明瞭な高信号となる.T1 強調画像で均一な高信号を呈していても,T2 強調画像では嚢胞内部にshading とよばれる明瞭な低信号部分が出現することがあり,しばしば多数の小嚢胞の重積として描出される.
⑦CA125 判断の仕方:35 U/mL 未満が正常(CA19-9 は37 U/mL 未満が正常).月経中のCA125 は上昇しやすいので,月経2~5 日目は測定を避ける(それでも健常者は35 U/mL を超えることは少ない).逆に早期の子宮内膜症は月経時にのみCA125 値が上昇するため診断に役立つという報告がある.卵巣腫瘍の場合100 U/mL未満では悪性は考えにくいが,婦人科以外で経過観察するのは危険である.
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