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化学物質過敏症(シックハウス症候群など)

別名 chemical sensitivity

疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。

臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 化学物質に大量に接触した結果,許容限度を超えてしまうと,その後はごく微量の化学物質との接触でも不快な臨床症状をきたすようになる.反応する化学物質の種類は徐々に多くなる.
  2. 本症の病態を理解するためには,総負荷量(total body load),マスク現象,離脱,スイッチ現象,拡散現象といった用語を理解することが大切である.
  3. 本症は先進国では人口の約 1 割に認めるともいわれる頻度の高い疾患であるが,一般医家にはあまり知られていない.
  4. 女性に多い.7 割以上が女性との報告もある.
  5. 原因として最も重要なのは室内汚染物質である.特に,ホルムアルデヒド,トルエン,キシレン,可塑剤,シロアリ駆除剤,木材保存剤が重要である.
  6. 症状は多彩であり,変化,拡大しやすい.自律神経症状が多い.化学物質の排除で症状は改善するが,一時的に離脱症状もありうるので注意が必要である.
  7. 一般病院では実施困難であるが,SPECT,電子瞳孔計検査(イリスコーダ),滑動性追従眼球運動検査は,客観的な検査所見を得るという点で重要である.
  8. 診断するうえで,最も重要なのは問診である.詳細な問診により,化学物質との接触状況を把握し,原因物質を推定する.
  9. 他の慢性疾患の除外が必要である.特に更年期障害,自律神経失調症,精神疾患,慢性疲労症候群,膠原病,アレルギー疾患,慢性頭痛との鑑別を要することが多い.
  10. 治療は,①原因物質および他の化学物質の排除,②換気,③運動療法,温熱療法(温泉,サウナ)による発汗促進,④ビタミン,ミネラル,薬剤の投与,⑤断食療法,⑥規則正しい生活による身体状況の改善などである.
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検査

①血液,尿,胸部Xp,心電図,CT などを行い,他疾患を除外する.
②IgE高値やリンパ球増加を認めることが多いという.
③必要があれば,原因と思われる化学物質の微量負荷試験(challenge test)を検討する.多くは皮内反応で判定する.過剰な反応に備えた救急蘇生の準備が不可欠である.
④SPECT検査にて大脳皮質および辺縁系の血流異常,電子瞳孔計検査(イリスコーダ)にて自律神経障害による瞳孔異常,滑動性追従眼球運動検査にて前庭神経障害による眼振を認める.客観的な検査所見を得るという点で重要であり,病状経過の指標としての意義も大きいというが,一般病院では実施困難なことが多い.
⑤化学物質の室内濃度の測定を検討する.依頼内容によっては,公的機関で無料で測定してくれることもある.
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