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黄疸

別名 jaundice

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 肝前性(≒溶血性)黄疸,肝細胞性黄疸,胆汁うっ滞性黄疸(多くは閉塞性黄疸),を見分ける.高齢者では閉塞性黄疸の頻度が高い.年齢と随伴症状によって目星をつける.
  2. 直接ビリルビン優位か間接ビリルビン優位かをまずチェックし,次に画像検査で胆道閉塞機転をチェックする.直接ビリルビン優位でありながら胆道閉塞機転が画像検査で指摘できなければ,まず肝細胞性黄疸である.
  3. 肝細胞性黄疸では近年急性肝炎の頻度が下がり,薬物性肝障害自己免疫性肝疾患の頻度が増している.
  4. 間接ビリルビン優位で溶血を否定できれば,Gilbert 症候群などの体質性黄疸か,グルクロン酸抱合能を喪失した肝細胞性黄疸である(急性肝不全が含まれる).
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チェックリスト・検査(図1)

①画像診断
 腹部エコーが簡便.ただし肝外胆管,膵頭部などの観察で腸管ガスが邪魔をして同部付近の胆道閉塞機転を描出できないことあり.
②造影CT
 もっとも重要.治療手段の選択にも必須.閉塞機転が結石なのか,肝胆道・膵頭部の腫瘍なのか,他臓器からの圧迫なのかの把握に有用.悪性腫瘍が原因の場合は周辺臓器への転移・浸潤の程度も把握できる.
③肝炎ウイルスマーカー,自己免疫性肝疾患関連マーカー(抗ミトコンドリア抗体,抗核抗体など)
 肝細胞性黄疸の原因診断と肝腫瘍の原因診断に重要.
④腫瘍マーカー
 AFP,PIVKA-Ⅱ,CEA,CA19-9 など.
⑤MRCP
 閉塞性黄疸が原因の時,閉塞機転を描出する画像診断として一般には造影CT に続いて行う.直接的胆道造影は一般に侵襲が強いため,それらに先立って行われる検査.MRI機器の発展に伴い空間分解能が改善して直接的胆道造影を待たずとも診断を確定できる頻度が増してきた.
⑥直接的胆道造影(ERC,PTC)
 たとえば閉塞性黄疸の鑑別診断で,硬化性胆管炎と胆管癌の鑑別には直接的胆道造影は必須である.ERC(内視鏡的逆行性胆道造影)では,造影検査に引き続き処置や治療が可能である.また組織学的検討が必要な場合は経胆管的生検が行われる.
⑦超音波内視鏡(EUS)
 閉塞性黄疸に際に胆嚢を含む胆管壁の観察や,膵頭部などでの組織診断〔EUS-FNA(fine-needle aspiration):超音波内視鏡下細針吸引細胞診/生検〕が必要なとき,施行を考慮する.
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図1 黄疸の鑑別チャート
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