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播種性血管内凝固症候群

略称 DIC
別名 disseminated intravascular coagulation syndrome

疾患スピード検索で表示している情報は、以下の書籍に基づきます。

臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. わが国の DIC 患者数は年間 73,000 人であり,死亡率は 56.0%と報告されている.
  2. DIC の二大症状は,出血症状と臓器症状であるが,その病態(線溶抑制型,線溶亢進型,線溶均衡型)により症状が異なる.
  3. DIC には基礎疾患が必須であり,DIC を合併する頻度が高い基礎疾患には,敗血症,悪性腫瘍,産科疾患が挙げられる.
  4. DIC は早期診断・治療が重要であり,臨床症状の出現がない時点から治療介入することが望まれる.
  5. DIC治療においては基礎疾患の治療が最重要であるが,DIC治療の主体は抗凝固療法と必要に応じた補充療法である.
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診断

 診断基準には,厚生労働省DIC 診断基準(1988年),国際血栓止血学会(International Society on Thrombosis and Haemostasis:ISTH)診断基準,急性期DIC 診断基準(2005 年)があげられ,厚生労働省DIC 診断基準が最も用いられている.基礎疾患,臨床症状,検査所見(血小板数,FDP,フィブリノゲン,PT 時間比)を点数化し診断する(表2).
 救急領域,特に感染合併DIC の早期診断には急性期DIC診断基準が有用であるが,血液疾患には適さない.
 以下の分子マーカーは,DIC の病型を識別するために有用である.
①凝固系・線溶系亢進の指標
  1. ①FDP:フィブリノゲンおよびフィブリンの分解産物の総称.
  2. ②D-ダイマー:プラスミンによる安定化フィブリンの分解産物の総称.
②凝固系亢進の指標
  1. ①トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT):凝固活性化により生成されたトロンビンは直ちにアンチトロンビンと結合しTATを形成するため,凝固活性化の指標となる.
③線溶系亢進の指標
  1. ①プラスミン・α2プラスミンインヒビター複合体(PIC):プラスミン生成量を間接的に把握することができるため,線溶活性化の指標となる.

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表2 厚生労働省DIC 診断基準(1988 年改訂)
表はPC版サイトをご覧ください
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