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摂食障害

別名 eating disorder

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臨床医マニュアル

「臨床医マニュアル 第5版」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部(各疾患「Clinical Chart」および「臨床検査に関する1項目」)を抜粋のうえ当社が転載しているものです。転載情報の著作権は,他に出典の明示があるものを除き,医歯薬出版株式会社に帰属します。

「臨床医マニュアル 第5版」 編集:臨床医マニュアル編集委員会
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, Inc., 2016.


詳細な情報は「臨床医マニュアル第5版」でご確認ください。 (リンク先:http://www.ishiyaku.co.jp/search/details.aspx?bookcode=731690

Clinical Chart

  1. 摂食障害とは,「身体的な要因がないにもかかわらず,摂食量の減少とそれに伴う体重減少,過食,意図的な嘔吐といったさまざまな食行動の問題が生じる障害」である.
  2. 摂食障害の中核群には病的な肥満恐怖あるいはやせ願望が認められ,そのうち低体重が見られるものを「神経性やせ症(anorexia nervosa:AN)」,過食があり標準体重かそれ以上の体重があるものを「神経性過食症(bulimia nervosa:BN)」という.過食があり病的なやせ願望がないものは「過食性障害(binge eating disorder:BED)」と呼ばれる.
  3. 摂食障害の中核症状は,食へのこだわりである.
  4. やせていたり嘔吐が習慣化していたりすれば,定期的な体重測定や血液検査によって常に全身状態を把握しておく.
  5. 有効性が実証されている治療法は限られているため,複数の治療法を無理なく組み合わせた現実的な治療計画を立てる.
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検査

 AN の通院治療では,体重,血圧,脈拍を毎回測定し,全身状態を把握する.低栄養により,汎血球減少,低血糖,低蛋白,肝機能障害,甲状腺機能低下(lowT3 syndrome)が,脱水により腎機能障害,電解質異常が生じる可能性があるため,全身状態に応じた定期的な血液検査が必要である.低栄養のためコレステロール値や尿酸値が高値を示すことがあるが,経過観察でよい.甲状腺ホルモンはT3 のみが下がっている場合は経過観察のみとする(甲状腺ホルモン剤の投与は無効である).
 嘔吐が習慣になっている場合は,低カリウムによる脱力や不整脈が懸念されるため,2,3 カ月に1 度は電解質を測定する.嘔吐刺激による唾液分泌過多の結果アミラーゼが高値になるが,病的意義はない.
 治療初期など低栄養から急激に高カロリーの栄養が補給された場合,再栄養症候群(refeeding syndrome)が生じる危険があるため,このような状態では2,3 日ごとの血液検査が必要になる.再栄養症候群の症状を表5 に示す.
 摂食障害患者の緊急入院を考慮すべき身体的状態を表6 に示す.
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表5 再栄養症候群(refeeding syndrome)
表はPC版サイトをご覧ください
表6 緊急入院を検討すべき身体的状態
表はPC版サイトをご覧ください
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