TGF-β
TGF-β
別名 |
形質転換成長因子-β,トランスフォーミング増殖因子-β |
臨床的意義
- 肺線維症や腎硬化症などの線維化をきたす疾患の病態解析に,血清や尿のTGF-βの測定が研究目的で行われているが,臨床検査としての意義は確立していない.線維化の病態をさらに詳しく調べるのであれば,PDGF(platelet-derived growth factor),EGF,FGFなどを測定する.肺線維症(間質性肺炎)が疑われる場合は,臨床的には血清KL-6,SP-D,SP-Aの高値が診断に有用である.
- TGF-βと癌や動脈硬化との関連も研究されており,動脈硬化患者で血中TGF-β濃度が低下していたという報告もある.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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0.89~1.80ng/ml(参照値)
変動要因
-
高値
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肝硬変、
骨髄線維症、
前立腺癌、
全身性硬化症、
慢性肝炎
慢性肝炎,肝硬変,骨髄線維症,全身性硬化症,前立腺癌などの一部の症例
- 変動要因
- EIA法による測定値が予想外の値となった場合は,ミンク肺細胞株MV1Luを用いたバイオアッセイを行って確認する.
( 東田修二 )
「最新 臨床検査項目辞典」は、医歯薬出版株式会社から許諾を受けて、書籍版より一部の項目を抜粋のうえ当社が転載しているものです。全項目が掲載されている書籍版については、医歯薬出版株式会社にお問合わせください。転載情報の著作権は医歯薬出版株式会社に帰属します。
「最新 臨床検査項目辞典」
監修:櫻林郁之介・熊坂一成
Copyright:(c) Ishiyaku Publishers, inc., 2008.