抗パルボウイルスB19抗体
抗パルボウイルスB19抗体
別名 | パルボウイルスB19抗体 |
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臨床的意義
- 伝染性紅斑は予後良好な疾患ではあるが,学童期での罹患が多くみられ,流行性に発生しやすい.また,慢性溶血性貧血などの基礎疾患を有する患者や妊婦では重篤な疾患へと進展する可能性があり,感染の拡大防止のためには確定診断が必要となる.
- 伝染性紅斑は臨床症状として両頬部の蝶型紅斑と,次いで肩,四肢に後発する網状の紅斑が特徴である.また,晩秋から増え始め,春をピークとして発生し,夏には減少するが,晩秋を迎えると再び増加する疫学的パターンを有するため,臨床診断は可能である.しかし,症状の発現する時期にはウイルスの排出は終わりにきていることもあり,抗原の検出は難しく,確定診断には本検査のような抗体の検出によって感染の有無を確認する必要性がある.
- 特に,紅斑が出現している妊婦について,本ウイルスの感染が強く疑われる場合,IgM型ウイルス抗体価の測定は有用である.また,不顕性感染の多い本ウイルスにおいて,IgG型ウイルス抗体価の測定は妊婦の感染既往の確認に必要である.
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基準値・異常値
- 基準範囲
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陰性
- 異常値を呈する場合
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感染初期、 胎児水腫、 胎児水腫、 伝染性紅斑、 伝染性紅斑、 慢性溶血性貧血患者の無形成造血障害発作、 慢性溶血性貧血患者の無形成造血障害発作、 免疫不全患者の貧血
( 角田修次 )
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